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 厄介ついでに、飲食店開設の場合は、消防許可や衛生許可証の取得が必要になる。特にこの衛生許可証の取得は困難を極める場合が多い。そもそも飲食店が集中しているアーケード街や飲食集中地域では問題にならないが、新しいビルや建物に飲食店が入る場合、その許可を取るのが困難なケースがある。

 深センで複数の日本料理店を展開する私の中国人パートナーもオフィス街で日本料理店を開設しようとしたところ、許認可を取るのに1年以上も費やしてしまった苦い経験があるらしい。これまで幾つかの店舗を展開してきた中国人の彼ですら国内の許認可を取るのにこれほど手間取ってしまうのだ。何でも衛生局で申請を行ったところ「日本料理は生ものを扱うので衛生面のことは特別に厳しく見極めなければならない」と言われたようだ。まさに「因縁」をつけられた感じだったと彼はいう。儲かる場所でビジネスをしようとすることに、お役所は良い顔をしないようだ。

 その後、衛生局の役人を接待漬けにして何とか許認可を取ることになる。さらに、ここに記述するのも面倒なほど、税務、財務、労働、社会保険局などへの申請業務が続く。一連の設立プロセスについては最後に参考でその流れを簡素に明示させていただく。

 インターネット関連のビジネスを行う際には、その運用も含めて認可を得る必要がある。インターネット運営者は、サービスとコンテンツの内容と運営する企業の登記情報、営業許可書、責任者の名前とその身分証明書、などを届け出てICP番号の発行を受ける必要がある。Web画面のフッターにある「京ICP証0000123」などがICP番号だ。これをサイト内に掲載することで認可を得たサイトとして運営することができるのだ。この許可を取る場合も、コンテンツの内容などが引っかかってなかなか認可が得られないケースが少なからずあるという。

 ここまででも十分に、厄介さが分かっていただけると思う。だからこそ中国でビジネスを始めるにはパートナーの力が絶対に必要だと感じる。進出するにしても全ての手続きが簡略化されており、手厚い支援がある工業団地や、飲食店ならそもそも許可が出ている店舗を譲り受ける方が楽、ということにもなる。

 こうした話を聞くと、ひるんでしまう企業も多いかもしれない。けれどもそれは、日本の成熟した仕組みに慣れ親しみすぎていることの裏返しにすぎない。実際に、中国人はもちろん、欧米などの「外国人」も中国のビジネス界でしたたかに生き、多くの人たちが成功を手にしている。彼らにできることが、私達にできないはずはないと思うのである。

▼外資企業の設立プロセス▼
(地域によって多少の違いがあります。あくまで参考として実際の登記設立は再確認をお願いします)

(1)企業登記開始申請→工商行政管理局
(2)外資企業登記(批准証書)証申請→地域商務委員会
(3)営業許可証の申請→工商行政管理局
(4)企業印鑑の作成と申請→地域公安局
(5)法人番号の取得→質量技術監督局
(6)外貨登記証の申請→外貨管理局
(7)口座(資本金、人民元)開設→地元銀行(産業関連の銀行)
(8)資本検査(験資)報告書作成→公認会計士事務所
(9)税務登記証の申請→税務署(地税、国税、関税)
(10)正式営業許可書発行 →工商行政管理局
(11)財務登記証の申請→財務局
(12)労働申請→労働局
(13)社会保険登記証の申請→社会保険局
(14)統計局への申請→統計局

(※10の営業許可証の発行があれば、営業はスタートすることができます)

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