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「小米」から感じたこと

 小米のような小企業も短期間にスマートフォンに参入できること、そして既存の大手メーカーに負けない性能のスマートフォンが提供できることは、スマートフォンもパソコンのようにモジュール化にされつつあることの証明であると感じている。デザインも含め、早くもソフトやハードの差別化が難しくなる時代に突入している。従来と違うサプライチェーン、販売方法、儲けるためのビジネスモデルの構築が問われている。

 デルは、直販といったダイレクト・モデルをパソコン業界でいち早く導入し、パソコンの製造と販売の革命を起こした。小米を初めとするインターネット型のスマートフォン会社は、デルと同じような直販のビジネスモデルをスマートフォンに導入した。これからのスマートフォン業界では大きな変化が起きると予感する。

 さらにデル方式だけではなく、小米はクラウドソーシングもスマートフォンの開発、製造と販売のプロセスに導入した。クラウドソーシング(crowdsourcing)とは、群衆(crowd)と業務委託(sourcing)を組み合わせた造語で、不特定多数の人に業務を委託するという新しいビジネス形態(ウィキペディアより)。インターネットサービスのトレンドの一つでもあるが、スマートフォンの開発やテスティングに取り入れらたのは、知っている限りでは初めてではないかと思う。中国において小米とほぼ同じ時期に誕生したスマートフォンブランド「魅族」は、アプリのテスティングもこの形態で実施しているという。

 クラウドソーシングがスマートフォン業界で使われるメリットは簡単に言うと、ユーザーのニーズが開発の開始段階でも採用することが可能になり、テスティングのコスト削減も大きいということだ。そして、ユーザーとの連携関係が構築できるようになったので、ブランド価値の向上や販促とも繋がる。

「小米」のこれから

 小米スマートフォンは、無事に昨年10月に発売を開始、よいスタートができた。しかし、これからの道は平坦ではない。内在的に、儲ける方式はまだ確立できていない。高性能/低価格の端末の販売で、端末が提供しているソフトやサービスによる収益を獲得するとの狙いだが、現実はユーザー数は数百万の程度で、まだ先のことだ。品質の問題も、市場からクレームが少なくないという。

 そして現在のスマートフォンの環境は、小米が設立された当時と比べて大きく変わっている。ハイエンド(4000元~5000元)の価格は下がりつつあり、ローエンド(1000元)の機能は高くなる一方。小米スマートフォンの高性能/低価格の魅力は段々薄くなっている。さらに今年、百度(検索)、Tencent(SNS)、360(セキュリティ)などのインターネットサービス大手企業もスマートフォンに参入し、熾烈な競争が始まったところだ。挑戦者である小米にとっては、高性能、低価格、安定品質を同時に守れるか、問われている大きな課題だろう。

 「小米」は、今後、繰り広げられる激しい競争の中で、発展できるのか、そして生き残れるのかはまだ未知数だ。だが、小米が仕掛けたビジネスモデルは、製造業では如何にITを活用するかについて、参考になるところが多いかと思う。