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 LenovoとCompalの生産合弁の社名は「聯宝(合肥)有限公司」。投資総額は3億米ドルで、Lenovoが51%、Compalが49%の株式を持つ。生産の主力はLenovo向けのノートPCとデスクトップのオールインワンPC。12年末から量産を始め、年産1000万台を見込んでいる。

 Lenovoは12年5月7日、総額50億元(1元=約12.8円)を投じて湖北省武漢に新たな生産拠点を設立することを明らかにした。楊元慶CEOは、中国内陸部に複数の生産拠点を設けることについて、四川省の成都はデスクトップPC、安徽省の合肥はノートPC、そして湖北省の武漢はスマートフォンとタブレットPCと、棲み分けを行っていく考えを示している。

 さて、LenovoとCompalのPC生産合弁について、当社と提携する台湾の民間調査会社、TRI(Topology Research Institute)社はこのほど、当社のウェブサイト閲覧には会員登録が必要2週間無料で読める試用会員も用意)で「Lenovoとコンパルの戦略提携から、PC製造業の将来像を見通す」と題するレポートを公表した。TRIは、「長年にわたって明確な水平分業体制を敷いてきたPC産業において、受託生産メーカーが一つのブランドメーカーを重視し垂直統合を構築するというのは、特別なことだと言えよう」と指摘。その上で、受託生産企業のCompalにとっての利点について、「資源を統合することで下がり続ける利益率を引き上げようというのが狙いだろう。また、優先的にLenovoから1000万台もの発注を獲得できるということも大きい」とした。半面、Compalにとっての懸念材料については、「Lenovo以外の顧客が離れてしまうというリスクは当然ある」と指摘する。

 TRIによると、12年の受注状況を見る限り、米Dell社、台湾Acer(宏碁)社など、その他の大口顧客がCompalに対する発注規模を大幅に削減したということはないようだ。ただ台湾のある業界筋は、「Lenovo色の強い受託メーカーだとして、競合のブランドメーカーが警戒し始めているのは事実だ」と漏らしている。

 一方、LenovoにとってのメリットについてTRIは、世界シェアトップを目指して拡大を続け図体が大きくなる中、サプライチェーンや品質におけるCompalの優れた管理能力を使えるのは大きいと指摘。また当然、年産4000万~5000万台を誇るCompalの巨大な規模も大きな助けになるとした。

 これに対してLenovoのデメリットについては、「運営面での負担が大きくのしかかる」といささか簡単な分析に終始している。これはTRIが台湾の調査機関で、地元の企業であるCompal寄りの立場で両社の合弁を見ていることが関係しているのだろう。

 このほかTRIは、Lenovo、Compalそれぞれのサプライチェーンが、合肥の生産合弁からの受注を争って真正面から衝突するのではないかということについても懸念を示している。また、台湾の業界では、LenovoのノートPCの受託生産を手掛けてきた台湾Wistron(緯創)社、台湾Quanta Computer(広達電脳)社などCompalの競合が打撃を受けるのは必至との見方が根強い。台湾の市場関係者によると、Lenovoは11年時点でPCの20%を自製、残りを台湾系ODM業者に生産委託していた。内訳はCompalとWistronがそれぞれ30~35%、Quantaが10~20%と見込まれている。

 台湾の市場や業界では、LenovoとCompalの生産合弁がEMS/ODM業界に与える影響は、合弁会社が量産を本格化する13年から顕在化し始めるものと見ている。「フォックスコンとの提携で、シャープの名前は早晩、消えることになるのではないか」(欧米系EMS大手幹部)との声も上がる中、シャープとフォックスコン、LenovoとCompalという、巨大EMS/ODMとブランドメーカーの提携の行方に、今後も注視していきたい。