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 もうひとつの工場では、トラックを生産していた。ここのトラックも全て自前で生産している。エンジンは、小さめな4気筒仕様だ。先ほどの農耕機の様なエンジンに比べればまだ高級そうだが、2トン以上もあるトラック用としては、何だか心もとないエンジンではある。

 これらのトラックは主に東南アジア方面に輸出されている。そのほか、ここで作られた自動車部品は、部品として各国にも輸出される。この、部品の売り上げの方が、完成車よりも伸び率が大きいのだという。2015年のアセアン統合もあって、東南アジアの経済は活況なのだ。「東南アジアの華僑系企業からの注文がひっきりなし。インドネシア、カンボジア、ミャンマーなどからも注文が来ている」といった状況だ。

 このような自動車工場が中国にはピークで4000社以上あったという。自動車を作ることはえらく大変なことで、日本、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、アメリカなどを始めとした先進国でなければ難しいことだと思っていた私は、この事実にかなりの衝撃を受けた。

 「もはや何でも中国で作れる」と、多くの中国人は言う。考えてみれば当たり前のことである。技術は人間が習得できるものなのだから、技術の差によって作れなかったものは、その技術を習得すれば必ず作れるようになる。そして、それを達成することは大きな歓びをもたらす。今の中国には、その歓びを知るエンジニアが多くいるのだ。