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 今回のイチローの移籍を見るにつけ、本当は、同じようなことが、日本の会社の中での部署の配置の転換、あるいは、会社の間の転職でもできるのにと思ってしまいました。イチローの移籍を促したのは、実力主義。スポーツは勝つためには、合理的な判断をせざるを得ない。それが、適材適所を促しているように感じます。

 一方、日本の組織はどうでしょうか。大半の企業も、役所も、学校も、いまだに年功序列で、人事が停滞している。経済が右肩上がりの時代には、組織も拡大が続き、年功序列の終身雇用が合理的でした。雇用や昇給が約束されているからこそ、長期的に考えて仕事や人生設計を行うことができました。また、解雇が無いからこそ、安心して、組織のメンバーと協力して仕事ができたという面もあるでしょう。

 ところが、経済状態は変わりました。右肩上がりで組織を拡大することは難しくなりました。また、技術の急激な変化や、海外への仕事のアウトソースが進んだ結果、組織のメンバーに必要なスキルも急激に変わってきています。同じ人達で何十年も仕事をするよりも、ダイナミックに構成員を変える必要が出てきているのです。

 しかも、エンジニアは自分の専門のスキルを、そう簡単に変えられません。一つの会社にとどまるよりも、イチローのように、自分のスキルを必要とする職場に変わる方が、合理的です。例えば、日本からは、最先端の半導体の工場がなくなりつつあります。半導体のプロセスやデバイスのエンジニアは、日本の会社にとどまるよりも、海外の会社に活躍の場を求めた方が、本人のためにも、会社のためにも良い気がします。