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特許を市場競争の戦略ツールに

 Android陣営に追いつかれ、抜き去られたApple社としては、自社のスマホ事業を保護し、さらに発展させるために、強硬手段に打って出ざるを得なかった。同社は、Google社がAndroid規格団体を立ち上げた以降、Google社に対してスマホ開発から手を引くように幾度となく要求していた。あまりにAndroid製品がiPhoneに類似の外観と操作性を備えていたからだ。そしてAndroid陣営から次々にiPhoneもどき(とApple社がみなす)製品が発売されるや、急速にApple社の市場シェアは低減していった。Apple社としては、革新的なデザインと機能を開発したという自負があるだけに、その盗用(と同社が確信する)行為を許すわけにはいかなかった。

 こうしたなか、本稿の冒頭に触れたSamsung社に対する米国での裁判を含む一連のApple社対Android陣営の知的財産権侵害訴訟の幕が切って落とされた。Android陣営で訴訟にかかわっているのは、Samsung社にとどまらず、台湾HTC社、米Motorola Mobility社など複数に及んでいる。しかも、戦線は世界市場に拡大し、Samsung社との訴訟だけでも、10カ国50件以上の事件数に及んでいる。

このように熾烈を極める訴訟合戦の中にあって、Apple社並びにGoogle社陣営ともに保有特許を拡充し戦力を強化するために、積極的に他社からICT関連特許を買収する作戦に出る必要があった。それが、前述した昨年来の大型特許売買取引の頻発に繋がっている。