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故Jobs氏が「特許で徹底抗戦」

 Apple社の創立者で元CEOであった故Steve Jobs氏は、HTC社を提訴した2010年当時、Google社の(同氏曰く)「盗人」行為を厳しく非難し、同社が保有する潤沢なキャッシュが尽きるまで徹底的に争うとまで宣言していた。他方、Google社CEOのLarry Page氏は、Motorola Mobility社買収合意を発表した2011年8月15日付け同社ブログの中で、「Motorola Mobility社の買収は、我々の特許ポートフォリオを強化して競争力を高め、Microsoft社やApple社などからの競争を阻害する脅威からAndroidをより強く防衛することを可能にする」と述べて(関連情報)、徹底抗戦の意思を明らかにしている。

 世界のICT業界を代表する2社の経営トップが自社の事業経営の成功に向けてともに力強い経営判断の感じられる言葉を公表している。これを、知財問題についても経営トップの強い指導力が発揮されていると受け止めたのは筆者だけだろうか。知財問題は多くの場合、その担当者だけで処理できる性質のものではない。知財は、財務、技術開発、生産、販売などの重要な経営戦略の各要素すべてにかかわってくる。それ故、経営者は知財を高度な経営判断を必要とする経営資源として認識を新たにし、知財の価値を最大限に生かす経営を実現するように努めるべきだ。

 本連載では、著者が係わる日々の知財ビジネスから直接、得られた情報を基に、欧米のホットな知財動向をご紹介して、現代の経営に知財を最大限に生かすための知恵を探っていきたいと思う。次稿では、今一番ホットな話題であるApple社対Android陣営の訴訟合戦を深く掘り下げてみたい。