
ものづくりプロセス改革の功罪

目次
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第15回:改革成功企業に共通する7つの法則(下・定着編)
最後の法則は「改革を定着・継続する情報発信」。ものづくり改革の成功企業は、改革プロジェクトに関する情報発信を定期的に行う。成功企業は、プロジェクト期間中(場合によっては終了後も)、定期的にプロジェクト・メンバーから全社員に向けて報告会を開催している。こうした情報発信により、継続的に成果を出し続けた…
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第14回・改革成功企業に共通する7つの法則(中・実行編)
本連載最終章の第2回に当たる今回は、前回を受けて改革成功企業の多くで見られる「7つの共通法則」の「第4の法則」の紹介から始めよう。ものづくり改革成功企業は、改革実行時の意思決定が速い。法則4では、意思決定を迅速に行うための要素を考察してみたい。
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第13回・改革成功企業に共通する7つの法則(上・企画編)
多くの企業はものづくりプロセス改革を実践している。改革に成功し、成果を獲得した企業もあるが、一方では道半ばで挫折し、当初の目標が達成できなかった企業もある。そこで、筆者が関与した最近5年間における、約50件のものづくり改革プロジェクトの成功要因を分析したところ、成功企業は「7つの共通法則」を持って…
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第12回:部品表改革のねらいと前提条件(下)
グローバル化における品番体系再構築の功罪
グローバル部品表改革の前提条件においてもっとも大きい、乗り越えるべき課題とはコード体系の統一であろう。中でも製品を構成する部品を表現する部品コード体系の見直しは、日本の製造業が抱える大きな課題の1つだ。では、なぜ部品コード体系の見直しが必要なのだろうか?
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第11回:部品表改革のねらいと前提条件(中)
前回は部品表改革が必要とされている背景について、特にグローバル化との関連を中心に考察した。これを受けて、今回はグローバルで統合化した部品表への改革について考えていきたい。なお、ここでは、グローバルで統合化した部品表へ変革することを「グローバル部品表改革」と呼ぶことにする。では、まず「グローバル部品…
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第10回:部品表改革のねらいと前提条件(上)
販売先を国内向けだけに絞り込んだ製品であれば、単純な階層構造の部品表をバリエーションの種類だけ準備すれば、調達や製造面において十分だった。しかし、市場がグローバル化すると、各国向けの仕向けや仕様違いに対応した部品表を準備する必要が出てくる。単純な階層構造の部品表だけでは表現しきれず、マトリックス型…
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第9回:モジュラー設計の功罪(下)
そもそもモジュラー設計は、製品多様化と部品種類削減を両立するためのアプローチである。事実、固定・変動ルールを標準化することで、共通部品や共通モジュールを増やせるのは確かだろう。しかし、営業が提案活動において“御用聞き営業”になってしまうと、結局は特注開発となってしまい、部品・モジュールの共通性は図…
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第8回:モジュラー設計の功罪(中)
前回は理想的なモジュラー設計の在り方をPCを例にとって解説した。では、擦り合わせ設計からモジュラー設計に変革していくには、どのように進めていけばよいのだろうか。実際、PCはモジュラー設計が実現されている典型的な製品だが、その多くは依然として擦り合わせ設計方式で開発されている。
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第7回:モジュラー設計の功罪(上)
モジュラー設計は、製品多品種化と部品種類削減を両立する解決策であると考えられている。これは単に部品やプラットフォームを共通化するだけでなく、モジュールを“組み合わせ”ることで製品バリエーションの多様性を飛躍的に高め、市場ニーズに対応しようとする考え方である。このモジュラー設計が目指す“理想状態”と…
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第6回:3D設計改革の功罪(下)
前回(第5回)は、現在多くの企業が取り組んでいる3D設計改革の効果について整理した。これを受けて、今回は特にモデリングコスト増の問題を中心に、3D設計導入に伴う課題について考察していく。
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第5回:3D設計改革の功罪(上)
ある学術論文に、3D-CADの普及状況を表す調査結果が示されている。これを見ると、日本の製造業では1990年代以降に3D-CADが急速に普及し、2004年時点ですでに7割以上の企業で3D-CADが導入されていたことが分かる。また、中国と韓国における普及率を見ると、2000年前後では日本に対し5年ほ…
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第4回:スマイルカーブと逆スマイルカーブ
「スマイルカーブ」は、電子産業に見られる収益構造を表すモデルの名称で、バリューチェーンの上流工程(商品企画や部品製造)と下流工程(流通・サービス・保守)の付加価値が高く、中間工程(組立・製造工程)の付加価値は低いという考え方を示している。この「スマイルカーブ」に対し、正反対の内容を主張するレポート…
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第3回:電気・電子産業の国際競争力を指標で見る
前回は自動車産業の国際競争力の変化を、「貿易特化係数」という指標を用いて定量的に分析してみた。そこで今回は電気・電子産業について同様の分析を行い、自動車産業との違いやサプライチェーン軸での関係性について考察してみたい。
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第2回:自動車業界における生産海外シフト
リーマンショック前後における海外シフトの動向を、統計データを使って分析してみたい。海外シフトの動向を見るための経済統計データにも様々なものがあるが、ここでは財務省が公開している貿易統計を主体として、分析を行うことにする。貿易統計データの中でも、「貿易特化係数」という指標があり、を用いて、自動車業界…
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第1回:日本製造業のものづくり競争力の変化
リーマンショック後の各業種の回復は、2012年1-3月期においても、思わしくない。金属製品製造業を除く5つの業種においては、2006年10-12か月の半分の水準にさえ回復していない。特に情報通信機械器具製造業の指数は0.08であり、いまだ1割にも満たない水準となっているのである。生き残りのための戦…