分かりやすくいうと、時間はかかるかもしれませんが、日本が次のスティーブ・ジョブズを生み出せるようになることがやはり最重要だと思っているのです。
では問題開発が終わり、技術開発が一定のレベルに達した産業においては、まったく勝算はないのでしょうか。
正直そうでもないというのが私の意見です。目の前に、環境開発や認知開発をうまく行うことでまだまだ発展する余地はあると考えています。
例えば、パナソニックに買収された三洋電機の白物家電事業です。みなさんご存じのように、この事業はパナソニックが中国Haier社に譲渡し、日本では「AQUA」というブランド名で展開しています。テレビ・ニュースなどで、この事業の元気のよさがしばしば報道されているのをご覧になった方も多いのではないでしょうか。
たとえ一見して衰退産業のように思えても、組織を活性化し、体制を整え、新しいマーケティングやブランドを再構築することは可能だと考えています。
では、なぜ日本企業にはそれがなかなかできないのでしょうか。