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 私は日本プロフィバス協会で働いていますので、セミナーなどで産業用ネットワークの説明をすることもあります。そのとき、「オープンなネットワークというなら、各種産業ネットワークを統一して1つのプロトコルで動く産業用ネットワークはできないのでしょうか?」「ネットワークのプロトコルがたくさんあって、どれが良いかよく分かりません。どれか1つになりませんか?」との質問をよく受けます。

 これらの質問に私は、「以前に30とも40ともいわれたネットワークの種類を考えると、現状、既にアプリケーション別、地域別による統合が進んでいます。今のところ、これ以上のネットワークの統合化は早急には進まないでしょう」と回答しています。

 ただし、このような質問が出てくる背景とか、要望も理解できます。この質問にあるような統一ネットワークはできなかったのでしょうか?

統一ネットワークへの活動はどうなった

 産業用ネットワークがマーケットに登場したのは、1980年代からです。そのとき、米国のISA(International Society of Automation)は「産業用ネットワークのプロトコルを統一した方が、より普及が早くなるだろう」と考えました*1

*1 本連載1回目のCIMの図の中で、H1とH2に当たるネットワークを提案していたのがISAです。