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産業用ネットワークをどう分類する

 国際規格IEC61784に登録されているネットワークをみて、「これが全部の産業用ネットワークだ」と言いきれればよいのですが、単純にIEC61784規格のネットワークがそのままマーケットで使われているネットワークと同じとは言えません。

 例えば、日本のマーケットにいると、「P-net」「WorldFIP」「INTERBUS」「ETHERNET POWERLINK」「EPA」「RAPIEnet」などの普及活動はほとんど聞きません(INTERBUSについては以前協会がありましたが、現在は日本での協会活動は停止しています)。また、「Vnet/IP」「TCnet」は日本企業が開発したネットワークですが、普及を促進するための団体を作っているとは聞きません。そして、IEC61784の規格となっていなくても、マーケットで使用されているプロトコルも幾つかあります。

 とは言いながら、前回説明しましたように、独自プロトコルはだんだんと消えつつありますので、この連載では次回から、以下の方法で産業用ネットワークの分類をして、説明をしていきます。

 多くの通信の教科書では、異なるコンピュータが通信するための機能構成として、ISO/OSIモデルの7階層を挙げています。産業用ネットワークもコンピュータ間の通信となりますので、この7階層を使って考えることができます。現在、マーケットに残っているオープン・ネットワークは、それぞれ得意とするアプリケーションや地域性があります。特徴がある分だけ、スパッと割り切って説明することは難しいのですが、のような概念で説明できます。

図●ISO/OSIモデルと産業用ネットワークの関係の概念図
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