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 その聯合晩報によると、郭氏は2013年3月1日、商談のために米国に向かうフライトの中で、日本の銀行団から、全力でフォックスコンを支持するとの意向を受け取った。記事では触れていないが、フライトとは郭氏のプライベート・ジェットのことだろう。この情報に気を良くした郭氏は急きょ、行き先を大阪に変更し、シャープとの交渉に臨むことにした。ところが大阪に到着後、シャープがSamsungと提携すると聞かされた郭氏は、同月5日にSDPで予定していた奥田社長、片山幹雄会長との会談をキャンセルした、としている。

 聯合晩報の記事に従うならば、郭氏訪日の目的はシャープとの交渉だったということになる。同紙は同じ記事の中で、同月5日にキャンセルされたトップ会談が同月7、8日の両日に改めて行われたとしている。いずれにせよ、真相は当然、郭氏と側近のみぞ知る、というところだろう。

 こうした中、2013年3月下旬に台湾で、「Samsungの台湾滅亡計画」という物騒な見出しを立てて特集を組んだのは、週刊誌『今周刊』(同年3月20日号)である。世界金融危機発生後の2008年に開いた最高経営会議でSamsungが、液晶パネルやDRAMなど競合する産業で一つずつ台湾を潰していく方針を決めたというもので、「Kill Taiwan」(台湾を殺せ)と名付けられたこの計画に基づき、Samsungは同会議から2012年までの数年間で、台湾のDRAM産業や液晶パネルのINNOLUX社〔群創、旧ChiMei Innolux(CMI)社〕やAU Optronics(AUO)社(友達)、スマートフォン大手のHTC社(宏達電)に対し、大きな打撃を与えてきたとした。さらにSamsungが2013年、打倒台湾の照準を、フォックスコンとTSMC社(台積電)という、EMSとファウンドリそれぞれの世界最大手に合わせ始めたとしている。

 この記事を一読してみたところ、率直に言って、内容自体に見出しほどのインパクトはなかった。