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図1 環境未来都市国際フォーラムが開催された下川町公民館
図1 環境未来都市国際フォーラムが開催された下川町公民館
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 「環境未来都市構想」とは、都市化に伴う環境問題や超高齢化の課題を解決する成功事例を生み出すことを目的とした国家プロジェクト。内閣府が主導して2011年12月に11都市が選定され、課題解決のための仕組みづくりを進めている。

 この2013年2月16日、環境未来都市構想関係者および環境問題が超高齢化問題に取り組む有識者を世界各国から集めて議論する、国際フォーラムが開催された(図1)。

 同フォーラムは、国内外で情報を共有し国際的ネットワークを構築することを目的に開催されている。2012年2月21日に東京で第1回が開催され、今回の第2回は北海道・下川町で開催された。2012年は第1回ということもあり、環境未来都市の基本構想である「環境価値、社会的価値、経済的価値という三つの価値創出」についていかに最大化を進め、各々のバランスをどう取るかが議論された。

 今回はさらに踏み込んで、国際貢献と被災地などの復興とリノベーション(刷新・革新)を通した価値創出をどう進めるかがテーマとなった。

復興活動における新しい価値創出

 基調講演では、建築環境・省エネルギー機構理事長で同構想の有識者検討委員会の委員長を勤める村上周三氏が「2年目に入った環境未来都市構想~復興とリノベーションを通した新しい価値の創出」と題して講演した。

 同氏が特に強調したのは、東日本大震災の被災地を復興するに当たって、環境負荷を大きくせずに、生活の豊かさを高める方向で都市再生を行うこと。そのために重要なのが復興活動において共通する新しい価値を創出することだとした。

 実際、被災地の中で環境未来都市に選定された6都市では新しい価値の創出が進んでいるという。東松島市では、ガレキ処理における市民参加による混合ゴミ分別を通じた「社会的連携の新スキーム」、気仙広域(大船渡市、陸前高田市、住田町)では医療・介護・福祉を連携させたまちづくりによる「高齢化対応の新しいスキーム」、岩沼市では集団移転によるコンパクトシティの実現を通じた「移転と集落再編成の新しいスキーム」、南相馬市では再生可能エネルギーを活用した植物工場プロジェクトによる「新産業の新スキーム」――といった新しい価値を創出していると語った。

図2 全体セッションの様子
図2 全体セッションの様子
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 基調講演に続いて、全体セッションとして、環境未来都市構想が推進する価値創造をどのように国際貢献に結びつけるかというテーマで経済協力開発機構(OECD)やアジア開発銀行といった海外からの有識者が講演した(図2)。

 まず、OECD行政管理・地域開発局長のロルフ・アルター氏が、21世紀は「都市の時代」だとし、特に日本では、都市の果たす役割が大きいことから環境未来都市に対する期待は大きいと語った。アジア開発銀行主任都市開発専門官のマイケル・リンドフィールド氏は、都市化に伴ってアジアで貧困が拡大している点が大きな課題だとし、この問題の解決に当たって日本の支援を期待していると表明。特に、環境未来都市と連携して、知のプラットフォームを共有したいと語った。

 全体セッションではまた、日立製作所地球環境戦略室の市川芳明氏が国際化の視点からスマートコミュニティおよび都市インフラの標準化やISO(国際標準化機構)化について、横浜市副市長の鈴木伸哉氏が環境未来都市に選定された11都市を代表して、自立化したエネルギー利用を実現する「横浜スマートシティプロジェクト」(YSCP)の取り組みを紹介した。