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 次世代のエネルギーシステムとして、「燃料電池」やその燃料となる水素を供給する「水素インフラ」に再び注目が集まっている。2015~2017年には、国内自動車メーカー3社が燃料電池を動力源とする「燃料電池自動車(FCV)」を本格発売する。さらに、エネルギー事業者10社が2015年までに水素ステーションを国内に100カ所整備すると発表。2030年には5000カ所の設置を目指している。

 さらには、電力不足が国内でも深刻化し、太陽光発電などの再生可能エネルギーが大量導入されてきたことから、電力需要のピークカットや電力系統安定化のために水素インフラや燃料電池を活用しようという動きも活発化してきた。

 水素インフラや燃料電池を中心に、水素を2次エネルギー(エネルギー媒体)として流通させる「水素社会」が到来すると言われて久しい。2002年にはトヨタ自動車とホンダがFCVのリース販売を開始したが、その後EV(電気自動車)ブームの陰に隠れていた。それが、水素インフラ整備の道筋が見えてきたことから再び表舞台に出てきた格好だ。

ガソリンスタンド併設の水素ステーション

図1 ガソリンスタンド併設型の水素ステーション(写真:JX日鉱日石エネルギー)
図1 ガソリンスタンド併設型の水素ステーション(写真:JX日鉱日石エネルギー)
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 水素インフラの内、水素ステーションについては現在までに13カ所が設置済みだが、商用化を意識したものが登場してきた。JX日鉱日石エネルギーは2013年4月19日、海老名市中新田のガソリンスタンドに併設する形で水素を供給する「水素ステーション」を開設した(図1)。

 既存のガソリンスタンドに水素ステーションが併設されるのは日本初の試み。サービス供給の効率や利用者の利便性にメリットがあり、高い実用性を目指している。

 同社の根岸製油所で製造した水素を専用のトレーラーで輸送し、ステーションで蓄圧器(ボンベ)に貯蔵する「オフサイト」と呼ばれる方式を採用。充てん圧力は700気圧である。同方式は、ガソリンのサプライチェーンと同様に、製油所などで大量・効率的に製造した水素を輸送する供給体制を想定したもので、燃料電池自動車の本格普及期における水素の大量供給に適しているという。

 これまで、ガソリンスタンド併設型で700気圧の設備を市街地に設置することは規制されていたが、2012年11月に「一般高圧ガス保安基準」が改正され可能になった。