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カワイイ文化 vs ソーシャル機能

 LINEの使い方や機能はご存じの方が多いので、ここで割愛する。キーワードでまとめると、無料、簡単、速い、カワイイといえるだろう。既に紹介したように、WeChatは、無料、簡単、速い、ソーシャルといえると考えている。だから、表面的には両者にはそれほど差がないようにも思えるが、基本機能をよくよく見ていくとそれぞれをそれぞれたらしめる明確な特徴を持っている。

 LINEの最大の特徴は、ガラパゴスケータイ(ガラケー、日本の従来型携帯電話機)の絵文字や「デコメ」から発展してきた“感情豊かで面白い”スタンプだろう。まさしく日本のカワイイ文化を取り込んだもので、各国でのLINEのスタンプ人気ぶりからみると、カワイイ文化は世界的にも通用すると感じられる。

 LINEがゼロからスタートしたのと違って、WeChatはTencent社のQQ〔中国のFacebookとは?(下)〕の発展版といえる。筆者からみるWeChatの最大の特徴は、メッセンジャーのような通信機能と、Facebookに代表されるソーシャル機能との融合だ。つまり、「通信機能を持つFacebook」であり「Facebook機能を持つ通信アプリ」である点だ。

 こうした差は、LINEとWeChatの海外展開戦略にも表れている。LINEは、人気スタンプを海外展開の大きな武器として活用している。さらに、スタンプは、コミュニケーションを取る人々の表情や心情を表すマークという使い方だけでなく、企業や団体の公式キャラクターなどをスタンプにしてLINEで配信することで、ファンの獲得やファンとのコミュニケーションに役立てることができる。こうした点が、海外でも企業や団体から注目を集める結果につながっている。スタンプは、世界にも広がり、LINEの収益の柱にもなっている。

 一方、WeChatは、海外展開戦略においてもソーシャルの特徴を生かす。例えば、WeChatの海外版と中国版の最大の違いは、Facebookとの連携だ。海外版ではFacebookのアカウントで登録できる。Tencentは中国最大のインターネットサービス業者であり、WeChatだけではなく、「中国版Twitter」といわれるミニブログサービス「微博(Weibo)」、ゲーム、Eコマースなどのさまざまなサービスを提供する。膨大な利用者と豊富な資金力はWeChatの海外展開の最大の強みである。さらに、世界的に遍在する中国人の利用と、そういった利用者から周りの友人への紹介も普及に一役買っている。

 実は、LINEやWeiChatと似たようなサービスはアメリカや韓国にもある。例えば、アメリカの「WhatsApp」などだ。しかし、なぜか世界へ展開していない。日本のLINEと中国のWeChatはどうして世界へ展開できたのだろうか。