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10:35a.m. 「丁寧に扱えば大丈夫」

 村上氏の説明が終わると、講師のAndrew McCulloch氏が登場した。同氏は、Dyson社の日本法人であるダイソン(東京都千代田区)のシニアデザインエンジニアという肩書きを持つ。まさに、Dyson社が今回のようなワークショップを通じてその存在を広めようとしているデザインエンジニアの1人だ。

 McCulloch氏は簡潔に自己紹介した後で、今回のプログラムについての説明を始めた。午前は「製品の分解・組み立て」と「Dyson社のデザインに関する講義」、午後は学生たち自身が日頃感じている身近な困り事(フラストレーション)を解決するための「アイデアの発想と試作」、という内容である。

 早速、製品の分解に移る。分解するのは、同社のサイクロン式掃除機の最新機種「DC48」である。(Tech-On!の関連記事「英Dyson社、コンパクトで静音化したサイクロン掃除機を開発」、日経エレクトロニクス Digitalの詳報「Dyson、掃除機のモータを改良、本体を従来比で約30%小型化」

 掃除機のような工業製品を分解した経験のある学生は、それほど多くないだろう。学生たちの表情は、心なしか緊張しているように見える。その様子を察したMcCulloch氏は、慣れた手つきで分解の仕方を実演しつつ、学生たちにこう話し掛けた。

 「分解しやすい構造だから、丁寧に扱えば大丈夫です」。

掃除機の分解を実演するMcCulloch氏
掃除機の分解を実演するMcCulloch氏

 McCulloch氏は分解を進めていく途中で、各機構の役割にも触れた。まず姿を現したのは、ゴミの分離機構だ。大きなゴミと微細なゴミに分離しながらゴミを集め、清浄な空気だけを排出する仕組みを、プレゼンテーション資料に沿って解説していった。

 分離機構を取り出した後は、本体の分解に移る。ドライバーでねじを1つずつ外していくと、本体の内部構造が露わになり、空気の流路が一目瞭然となる。McCulloch氏は、フィルタを通して空気を排出する上で騒音を最小限に抑える設計となっていることなどを紹介した。

 分解が終わったら、次は組み立てである。分解とは反対の手順で部品を組み上げていく。このあたりになると、各チーム内の緊張した空気はだいぶなごみ、メンバー同士の会話が弾んできた。

分解の傍らMcCulloch氏の説明に耳を傾ける学生たち
分解の傍らMcCulloch氏の説明に耳を傾ける学生たち
分解の傍らMcCulloch氏の説明に耳を傾ける学生たち