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 「電力や水のような重要なサービスを提供する米国企業の制御システムを混乱させ破壊するサイバー攻撃の危険性が高まっている」。米ワシントンポスト紙は、2013年5月9日、米政府が同月7日にこのような警告を発したと報じた。

 同記事によると、米政府高官は、海外の敵対者がここ数カ月の間に、化学/電気/水のプラントを操作するコンピュータ・システムを調べているとし、破壊的なサイバー攻撃に対する懸念が高まってきていると語ったという。しかも、敵対者の目的は、知的財産の搾取にとどまらず、制御プロセスの混乱・破壊へと拡大してきているとした。

 これらは重要インフラに関わる制御システムへのサイバー攻撃。一般的な工業製品を扱うような企業の制御システムには無関係だ--。そう考える日本企業は少なくないかもしれない。しかし、それは危険だ。制御システム・セキュリティーに詳しいVirtual Engineering Company(VEC)事務局局長の村上正志氏は「巻き添えになって被害を受けるケースもある」と警鐘を鳴らす。

 同氏によれば、世界的には、サイバー攻撃を使った犯罪組織が存在している。企業恐喝や株価操作、競合企業への攻撃などにサイバー攻撃が利用される懸念が高まってきているのだ。さらに、「サイバー攻撃のためのツールを売買するサイトが存在し、高度な技術を持たなくてもサイバー攻撃ができる時代に既になっている」(同氏)。こうした組織やサイトの存在が、前述の懸念をより真実味のあるものにしているのだ。