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 今までさまざまな産業用ネットワークについて説明してきました。それらのネットワークは物理層として、有線(金属、または光ファイバーなど)を使ったものでした。

 ご存じのように、最近、私たちの身の回りでも、携帯電話、スマートフォン、モバイルパソコン(PC)などで無線を使うことが増えています。

 少し前までは、無線というと特定の会社が提供する限られた機器でしか接続できないというイメージがありました。それに加え、無線が使用できる周波数の帯域は、国によって違いがあるなど、無線技術を工場で使うには、幾つかの困難があったのは事実です。

 免許なしに使用できる周波数帯はISMバンド(Industry Science Medical band)と呼ばれ、この範囲も各国で異なりますが、大体2.4GHz帯と5GHz帯がほとんどの国で共通で使えるようになっています。この帯域を利用して、民生用機器(PC、スマホなど)ではいろいろな機器を自由につなげることができます。民生用機器では無線は十分に使えますし、有線にないメリットがあります。

配線不要の5つのメリット

 日常生活で無線技術を普通に使っているため、工場で使われるネットワークの物理層にも有線だけでなく、無線を利用できないかという考えは当然出てきています。つまり産業用途の無線技術についてもオープン化が進行しています。

 言うまでもなく、無線とは伝送の媒体を空気とするものですから、有線と異なり配線が不要ということになります。一般に配線をしないことには以下のメリットがあります。

1.有線ではないので、ケーブルのコスト、配線コストが削減できる。また、工事の期間もその分短くなる。
2.配線をしにくかった、つまり機器を取り付けにくかった場所にも現場機器を取り付けることができる。
3.PC、スマホなどは無線の接続口を持っていることが多いので、無線だとそのままPC、スマホなどの機器につながる。また、現場機器の監視などのように、PC、スマホを移動させて使うアプリケーションに無線は適している。
4.永続的でなく、短い期間にトライアルとして機器を取り付けて、現場のデータを収集するようなアプリケーションに手軽に設置できる無線機器は使いやすい。
5.配線コストにも関係するが、特に一般の工場では、機器の配線を追加・変更するには、工場内での工事申請が必要なことが多い。この申請の手間は結構かかる。無線の場合は、配線についての申請の手間が少なくなる。