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サンワ ハイテックの「STAVi」
サンワ ハイテックの「STAVi」
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 先週発売した『日経Automotive Technology』2013年9月号の解説で取り上げた「“クルマ未満”の小さな乗り物」の取材では日本各地を歩き回った。おかげで東京一極集中について考える機会ができた。

 超小型車の業界は場所を見ても、資本、取引関係を見ても、今ある自動車メーカーとは離れたところにある。乗り込みやすい超小型車の営業活動を始めたサンワ ハイテックは熊本の半導体製造機器メーカー、ソファが動き出すような超小型車を造るナノオプトニクス・エナジーは超高精度高速研削・高温超伝導送電などを手がける鳥取の大学ベンチャー、立ったまま乗る超小型車を開発しているKANZACCが福井に開発拠点のある電線メーカー、前輪駆動の超小型車を開発中のテムザックが福岡のロボットメーカー。見事にバラバラだ。

 大手自動車メーカーも研究は進めているようだが、商品化は一歩遅れることになりそうだ。それだけ、今までの蓄積が通用しない商品なのだろう。新規参入が難しくなった自動車業界に比べ、活力のある業界と言える。

 この記事の主役の一つであるサンワ ハイテックの乗り物は、腰掛けるのでなく、後ろからまたがるように乗り込む。体への負担も小さく、高齢者に向いた座り方だ。この超小型車のハイライトと言える技術である。

 実は、この技術はテムザックが発案し、サンワ ハイテックと分担して開発を進めている。九州の企業同士の協力で成立した。自治体が「地方の活力の象徴」だと持ち上げそうな話である。それはそれで間違ってはいないし、応援したいと思う。

 しかし、それにはオチがある。そんな状況も東京が支えているのである。両社が出会ったのは東京だった。福祉機器展の会場で名刺交換をしてから「ご近所やなかですか」と盛り上がったらしい。やはり東京の力はあなどれない。技術の開発について言うと、一極集中と地方分散、どちらか一方が正しいということにはならないようだ。