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世界は2乗でできている 自然にひそむ平方数の不思議、小島寛之著、945円(税込)、248ページ、講談社、2013年8月
世界は2乗でできている 自然にひそむ平方数の不思議、小島寛之著、945円(税込)、248ページ、講談社、2013年8月
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 こうして数学者たちは、数を掛けたり、逆順にしたりしながら、不思議な法則を見つけては、なぜそうなるのかを証明してきた。その代表選手がピタゴラスだ。

 ピタゴラスといえば、ピタゴラスの定理。直角三角形の直角をはさむ2辺a、bと斜辺cとの関係「a2+b2=c2」は、説明の必要もないだろう。実は、紀元前572年ころに生まれたピタゴラスよりもはるか昔、紀元前1600年頃のバビロニアで既に知られていた記録もあるらしいが、ギリシャで花開く数学文化にピタゴラスが多大な影響を与えたことはまちがいない。

 2乗との関係でいえば、ピタゴラスの定理を満たす自然数a、b、cの組は、現在「ピタゴラス数」と呼ばれている。ピタゴラスは、「ピタゴラス数は無数にあるか」という問題を考え、自分で無数にあることを証明した(グノモン数という考え方で、簡単に証明しているのだが、詳細は割愛させていただく)。

 ピタゴラスのあとも、平方数の不思議な性質を見つけ、証明していった偉大な数学者が本書にたくさん登場する。12世紀終わりにイタリアに生まれたフィボナッチは、フィボナッチ数という数列(はじめの2項が1で、そのあとは前の2項の和。1、1、2、3、5、8…)について、「連続するフィボナッチ数の平方の和は必ずフィボナッチ数になる」とか、「フィボナッチ数の中に平方数は無限にあるか」などの問題を残した。「フィボナッチ数の中に平方数は無限にあるか」が解決したのは、20世紀も後半の1964年というから、数学上の単純そうな問題はじつに奥が深い。