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 3回にわたって UWB にまつわる昔話を続けてきましたが、せっかくシャノン=ハートレイの情報伝達公式が出てきたことなので、ここで少し数式を使って考えてみたいと思います。

シャノン公式とフリス公式を合わせてみると

 シャノン=ハートレイの情報伝達公式は式(1)に示す形をしていますが、これを変形すると与えられた情報量C(ビット/秒)と帯域B(Hz)から必要なS/Nを算出する式(2)が導き出せます。

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式(1) シャノンの情報公式(基礎形)
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式(2)シャノンの情報公式(S/Nを左辺に変形)

 さてここで、以前「無線LANと通信距離」のシリーズで登場したフリスの公式に登場してもらいます。フリス公式を変形して距離を左辺に置いたものが式(3)ですが、

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式(3)フリスの伝達公式(距離を左辺に変形)

 ここで許容伝達損失LP(dB)の項にシャノン公式から値を代入することができます。すなわちSNRをdBで表すと受信信号レベルS(dBm)から背景ノイズレベル>N(dBm)を引いた値となり、Sは送信出力TxP(dBm)から伝達損失LP(dB)を引いたものですから

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式(4)TxP、SNRからLPの算出

が成り立ちます。式(4)のSNRに式(2)から導出された値を代入し、ここで導出された許容伝達損失LPを式(3)に代入すれば、波長λ・空間伝達係数n・情報量C・帯域B・送信出力TxP・背景ノイズレベルNの六つのパラメータで理論上の通信限界距離が算出できることになります。