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 花王で「アタック」や「レイシャス」などの開発に携わった美崎栄一郎氏が、特定の商品がヒットした理由をひも解いていく連載「ヒットの謎解き」。雑誌『日経ものづくり』との連動企画で、Web版では雑誌に盛り込めなかったこぼれ話などを掲載していく。第1回のテーマは、赤外線コントロールのトイラジコン「NANO-FALCON」(以下、ナノファルコン)だ。

 ナノファルコンは、バンダイナムコグループのシー・シー・ピー(本社東京)が2013年6月8日に発売したトイラジコンのヘリコプター。最大の特徴は、なんといってもその「小ささ」にあります。全長65mmの手載りサイズで、「世界最小の無線操縦ヘリコプター」としてギネス世界記録に登録されています。価格は4480円(希望小売価格、税別)と割安で、操作性に優れるのも魅力。僕自身、10分も練習したらすぐに飛ばせるようになりました。

ナノファルコンの全長はたった65mm
ナノファルコンの全長はたった65mm
飛行時は、大きな2つのプロペラが逆回転する。尾翼の小さなプロペラも含めて、プロペラ1つにモータ1つずつ、計3つの小型モータを備える。

 ヒットの理由の中核部分については本連載の雑誌版をお読みいただくことにして、ここでは、ナノファルコンがヒットした理由の1つとして挙げた「ギネス世界記録」について、もう少し詳しく解説してゆきたいと思います。

 ナノファルコンを発売したシー・シー・ピーは、ナノファルコンをギネス世界記録に登録することで、商品の特徴や魅力を消費者に分かりやすく伝えることに成功しました。ギネス世界記録のロゴを印刷したシールをパッケージに貼り、「世界で最も小さい」ことを前面に押し出したわけです。

ギネス世界記録の保持者であることを示すパッケージ
ギネス世界記録の保持者であることを示すパッケージ
全長65mmは世界最小。ユーザーに商品の特徴を一発で伝えることができる。

 加えて、世界一の称号は多くのメディアの注目を集めることにもつながりました。ナノファルコンとほぼ同じ大きさのラジコンヘリは他にも幾つかあります。にもかかわらず、ナノファルコンは「世界最小のラジコンヘリ」として、雑誌や新聞で数多く取り上げられました。正直、僕が取材しようと思ったきっかけもそこにあります。つまり、ナノファルコンはギネス世界記録を取得したことで、他の商品と明らかに異なる特別な商品として広く認知されたことになります。