「住宅メーカーこそHEMS展開に向く」
こうしたシステムは、もはや標準となった“環境対応”に次ぐ、住宅の差異化要因となり得る。将来的には、住宅メーカーのアイデアで、センサによる情報収集の対象を生体情報以外にも広げて、新たな差異化要因を次々と繰り広げていくこともできる。例えば、毎日の食事をカメラで自動的に撮影して内容を分析、コンピュータに蓄積し、ユーザーの健康管理につなげることも可能だ。
では積水ハウスは、家電や自動車などほかのHEMS/スマートハウス関連業界との事業関係をどのように取る意向なのか。「家電や自動車の製品寿命は数年~10年程度。住宅は数十年」(石田氏)。最も製品寿命の長い住宅を扱う企業が、HEMS事業の主導権を握るべきとの考えだ。そのため既に米IBM社と協業し、家電メーカーに依存しないサービスを提供する体制を整えている。
もっとも他の業界は、積水ハウスとは別の考えでHEMSサービスを自ら展開しようとしている。例えば、今回の東京モーターショーで同じ「SMART MOBILITY CITY 2013」エリアにも出展していたトヨタ自動車。次世代テレマティクスなどを紹介する同じブースにトヨタホームも出展しHEMS関連製品を展示していた。