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今回紹介する書籍
書名:中国社会各階層分析
著者:梁暁声
出版社:文化芸術出版社
出版時期:2011年1月

 今回は『中国社会各階層分析』という作品を紹介する3回目。『ある紅衛兵の告白』などで有名な梁暁声が中国社会を9階層に分け,それぞれについて解説した書籍である。

 読者の皆さんにも「黒社会」という言葉を聞いたことのある方は多いだろう。日本での「裏社会」「闇社会」に相当する言葉である。本書では「黒社会」にも1章を当てて説明している。

 どこの国にも裏社会や犯罪集団というものは存在する。その中で中国の「黒社会」の特徴とは何か。それは「黒社会の中心に役人がいること」だ。中国で賄賂が横行していることは、よく語られている。しかし、本書では、事態はそれどころではないと言う。収賄したり、黒社会の人物と癒着したりする役人がいる、というのはどこの国でも多かれ少なかれあること。しかし、本書が看破した一番の特徴は「黒社会のボス、ゴッドファーザーと呼ばれる人物が公務員であることが多い」ということだ。これは癒着ではなく、政府側の人間が中心となって悪事を働いていると言われても仕方があるまい。

 そうなると、我々外国人も中国側とつきあうときに、この相手は本当に安全なのかを見極める必要が出てくるだろう。本書では「黒社会のにおいがする人物」の見分け方として以下の六つを挙げている。

(1)金を持っている
(2)地方および中央の幹部と太いパイプを保っている
(3)現地の司法関係者と気脈を通じている
(4)表彰など、正式な栄誉をいくつも受けている
(5)地方政治の関係者であることもある

上記5条は、「それだけでは見分けられない」と感じざるを得ないが、第6条目には「なるほど」と感じた。

(6)彼らが「成功した道のり」を語るとき、矛盾点がある

 これは中国黒社会のみならず、どの世界でも通じるポイントであろう。だが、特に中国ではどんなに正式に表彰されている相手でも簡単には信用せずに「どのようにして今日の地位を築かれたのですか」と聞いてからつき合い方を決めるのが安全ということか。