――採算のことを言ったら、唐池恒二社長に叱られたとおっしゃいましたね。

水戸岡氏:「いや、水戸岡さん、ぼくはちゃんと考えてるから」って言われて。その考えているっていうことが、今言ったようなことだったんだろうなって思いますね。確かにお金の面での費用対効果からすると儲からないけど、お金以外の効果という意味では、鉄道文化というか、会社の信用というか、ブランド化という意味では十分効果が出るかもしれないと予測していたんではないでしょうか。

 うまくいけばの話ですけれどもね。うまくいかなければ、もしこのななつ星in九州のプロジェクトが失敗したら社長交代でしょうからね。無謀な決定をしたということになりますから。

――30億円使うっていうのは最初に決まっていたことなんでしょうか。

水戸岡氏:そうですね。30億円でやろうって。その30億円も“もの”に対してであって、それ以外にJR九州の社員が動くお金などは入っていません。だから本当は35億円とか、かかっているかもしれませんよね。

――“九州一周の旅”を水戸岡さんが昔から考えていらっしゃったということは、唐池社長(唐池恒二JR九州社長)はご存じだったんでしょうか。

水戸岡氏:多分、私でなくても、九州にいて鉄道を考えると一周っていうのはわりと当たり前に出てくる発想なんですよ。何も私だけが考えたというわけじゃなくて、九州の鉄道にからんで仕事をすると、普通の情熱と普通の能力があれば、当然考えることの一つでしょう。