さて、話題の自動運転。2013年12月2日の日経新聞朝刊では賛否は拮抗している。反対意見としては、機械に命を預ける事の心配と事故時の責任問題が大きい。もっとも、いかさか古い報告であるが、富士重工業の「レガシー」への「アイサイト」と呼ばれる立体視をベースとする予防安全装置の装着率は90%を越えている(外部のニュース・サイトの記事)。ダイハツでは5万円程度のものを販売しているが、それも60%を超えている(同社の報道発表資料、PDF)。しかも、この5万円を割り引くキャンペーンも行っている。消費者は予防安全装置の装着に大きく舵を切った。
一時は自動車運転免許証が公的身分証明書の代表と言われるくらい、対象年齢のほとんどの国民が所得していた。東京などでは所得しない若者も増えてきたが、それ以外の地域では自動車は必需品である。運転技能が未熟な時、そして年齢を重ねて技能が落ちてくると危険に遭遇する可能性は高い。乗用車で1トン強、それが時速100kmで走る。その運動エネルギーを考えれば安全対策は必須である。
これまで、エアバッグ、アンチロックブレーキなどを標準装備化することで、交通事故による年間死者数が1万人程度から4000人程度まで下がってきた。効果があるのは単独事故。特に若い男性のオーバースピードに起因する事故時の救命率が向上した。