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 年初を飾るビッグイベント「2014 International CES」が始まりました。今年の家電業界をけん引する、どのようなトレンドが明らかになるのか楽しみです。少し寂しいのは、5年前まで同時期に開催されて業界の話題を二分していた「Macworld」のApple社の基調講演がなくなってしまったこと。同社のCEOだった故Steve Jobs氏の健康悪化などが一因だったのかもしれませんが、恒例だった年初の発表が消えてしまった根本には、同社が公開すべき斬新な内容が乏しくなっていることがある気がしてなりません。

 Macwolrdで「iPhone」が発表されて早7年。同社が再生するキッカケになった「iPod」の登場からiPhone発表までが5年強、iPhoneから「iPad」発表までが3年強だったことを考えると、そろそろ新しい提案が出て来るべき時期であるはずです。ところが近ごろの同社に、当時の勢いを感じられないのは筆者だけでしょうか。

 実際、Apple社の最近の発表からは、かつてのような「若々しさ」が失われている印象があります。昨年10月に発表されたiPhone 5sや同5cは、同社らしく「ユーザーの体験」を重視した製品で、特に5sの販売は好調なようです。ただし、業界をアッと言わせる驚きはありませんでした。特に低価格版の5cがそれほど安くなかったことには、ガッカリしたユーザーも少なからずいたかと思います。

 この発表に透けて見えた同社の姿勢を、筆者は「変わらないApple」と表現してみました。裏を返すと、変われなくなっていることが、同社に勢いや若々しさを感じられない理由なのでしょう。では、どうしてApple社は変われなくなってしまったのか。そこにはAppleというブランドへのこだわりがあるのではないかと推察しています。

 Apple社が台頭する前に、新しいトレンドを生む企業と目されていた筆頭はソニーでした。その威光は今では少し翳ってしまいましたが、そこへ至る過程でよく聞いたのが「ソニーらしさとは何か」という問いかけです。様々な製品の紹介で「ソニーらしさ」を追求したという説明を聞いた覚えがあります。その掛け声とは裏腹に、「ウォークマン」や「PlayStation」に匹敵する、製品ジャンルの代名詞になるような製品は結局生まれてきませんでした。今のApple社も同様な段階に差し掛かっているのではないでしょうか。