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物理パラドックスを解く、ジム・アル=カリーリ著・松浦俊輔訳、2,415円(税込)、単行本、320ページ、ソフトバンククリエイティブ、2013年3月
物理パラドックスを解く、ジム・アル=カリーリ著・松浦俊輔訳、2,415円(税込)、単行本、320ページ、ソフトバンククリエイティブ、2013年3月
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 パラドックスには、いろいろな種類がある。

 本書で扱うあつかうのは「本物のパラドックス」ではなく、物理学のパラドックスだ。

 物理パラドックスの内容に入る前に、パラドックスについて簡単に解説しておこう。

 そもそも、パラドックスとは何なんだろう?

 著者のカリーリ氏は、次のように定義している。

  本物のパラドックスは、循環に陥ったり自己矛盾する論証になったりする、あるいは、論理的にありえない状況について述べている、といった言明だ。

 本物のパラドックスの実例は、「この文は嘘だ」という短い文だ。
 「この文は嘘だ」と公言しているのだから、この文は嘘にちがいない。しかし、「この文は嘘だ」が嘘だとすると、嘘ではない――つまり正しいことになる。すると確かにこの文が嘘だということになり、するとやはり嘘ではないことになる。以下同様で、無限の堂々巡りに陥る。