PR

 2013年11月20日、これまでの予測どおりの薬事法改正法案が可決された。1948年に制定された“薬事”という言葉の終焉を告げている。医療機器業界にとっては一段階、やや歩を進めたと言いたいところだが、課題山積の再出発でもある。

マイルストーンを築いた前進、だが…

 前回、2005年4月1日施行の「薬事法改正」から8年半ほどの時間が経過した。その際の注目点を挙げるなら、それまで使用されていた「医療用具」から、初めて「医療機器」というタームがデビューした点だろう。

 医療用具は時代にマッチしないことを強く訴えていた筆者にしてみれば、ようやく土俵に上がったというのがその当時の偽らざる実感だった。

 しかし、薬事法という旧態依然とした法律名からも推察されるとおり、本来、医薬品の副作用を取り締まることを目的とした法律に、全く性質の異なる医療機器を適用する不自然さは、現在でもその影響を多分に引きずっている。

 今回の改正で、少なくとも、その法律名の中に「医療機器」が入り込んだ事実は、業界側にすれば、大きな前進といえる。2005年の改正を第一歩と考えるなら、今回は第2段階に入った、と受け止めてよい。

誰も覚えられない法律名

 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が正式名称だ。業界の識者によれば、こんな長たらしい法律名は誰も覚えられないし、誰も使わないでしょう、とのコメントをいただいた。

 実際、成立した途端にプレス関係が使い出したのは、「医薬品医療機器法」という略称である。確かに、この略称で必要十分だ。

 ただ、それでもまだ長いことには変わりないので、PMDL(Pharmaceutical Medical Devices Law)というさらなる略称を考えてみた。PMDAにあやかってか、と問われれば、まさにそのとおりだが…。

道半ば、玉虫色の解決が意味するもの

 わざわざ名称の話を出したのには、訳がある。この誰にも覚えられない法律名が象徴しているように、今回の改正は、明らかにあいまいさを残したままなのだ。

 まずは、医療機器業界側からの最初の要望が「医療機器法」を作ってほしい、というものだった。しかし、“回答”は「医療機器を別章立てにする」という中途半端なものだった。それゆえに、使えない法律名に仕立て上げられた、いわば苦肉の策といえる。

 このまま予定どおりに進行すれば、2014年秋にはこの法律が施行されるだろう。その内容を見る限り、「医療機器の規制緩和」というお題目からはほど遠い。というより、本当に大丈夫なのか、という心配が先走る。

 具体例を挙げておこう。「医療機器製造業」は、許可制から登録制になる。通常、届出や登録という概念からすれば、無料というのが普通。しかし、どうも登録料なるものが設定されるらしい。それ自体は容認されるものかもしれないが、その金額や登録方法などを含め、これまでの許可からの緩和を実現してほしい。今回の改定が決して後ろ向きではない、という証明のためにも。医療機器業界の真の発展を望むなら、この法律もその大前提を崩してほしくないからだ。