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 加速度センサを人体に装着する状況下においては、非接触センサというより間接接触タイプと表現すべきかもしれない。今回は、この加速度センサに角速度センサ(ジャイロ・センサ)を加えて人体の活動エネルギーをより精密に算出可能とした装置について紹介したい。

測定結果に見るジャイロ付加の意味

 歩数計をはじめとして主に加速度センサを利用した装置は、スポーツなどのモニタリング用途として、さまざまな機種が競い合う市場となっている。ジョギングを楽しむ人だけでなく、メタボ管理用などにも使われており、一度は「試用」した経験をお持ちの方も多いはずだ。

 ここ10年余りのブームともいえるが、ごく簡単な歩数計から最近では活動エネルギーまで算出してくれる高機能の活動量計もあり、種々雑多な製品群の出現という表現が適当かもしれない。その中で、最もポピュラーな方式が加速度センサの応用製品だ。当初、歩数のみの測定機能しか持っていなかったが、活動エネルギー、つまり人体の消費エネルギーまで分かるものが増えてきた。

 とはいえ、そのエネルギー算出が正確かどうか、精密に「校正」できるパラメータでないがゆえの疑問点も存在する。

宮田喜一郎
腕に装着しているのがViM

 その中で、右の写真に示すのはマイクロストーンが開発した製品「ViM(腕時計型行動記録計)」である。この製品の際立った特徴が、加速度センサだけでなくジャイロ・センサを加えたことだ。これによるメリットこそ、より精密な活動エネルギーの算出にある。

 開発者である同社の白鳥社長によれば、学生時代から研究し続けたジャイロ・センサを人間の行動パターン解析に反映したいという長年の夢を実現したものだという。「それにより何が違うのですか?」という筆者の質問に対し、よく聞いてくれたといわんばかりに自信を持って答えてくれたのが「等速度運動中は、加速度センサだけではエネルギーの算出ができないからです」だった。

要介護者モニタリングのために

 同社長の熱弁はさらに続く。

 加速度だけでは、人間の行動パターンが類別できないというのだ。実際、ViMによる解析では、歩行4種類、走行2種類、非周期運動2種類、合計10種類の行動パターンに類型化している。その結果、走行や歩行時などの行動パターンが細分化され、その“ご利益”が高精度の活動量算出なのである。

 下の写真に示すのは、10種類の行動パターンを色別に表示したトレンド・データである。汎用の加速度センサだけでは計測不能、というより計測不十分な領域にあえて踏み込んだ優れたアイデアともいえよう。

宮田喜一郎
ViMによる解析結果表示の例

 このViMには、摂取エネルギー、すなわち食事メニューからのカロリー入力も可能な機能もついている。その結果は摂取・消費両エネルギーの同時表示を可能としているため、それらのバランスも一目で分かる。例えば、糖尿病患者に装着すれば、1日の摂取量に対して活動が少なすぎる、というようなアドバイスも可能となる。

 高齢者施設での要介護者のモニタリング用途としても利用価値大である。その上で、非接触センサの応用はさらに広がるだろう、というさらなる夢を抱かせてくれる製品の好例だ。