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 介護用の生体情報モニタリングは、非接触または遠隔測定という要件が重要視される。特に、医療用との根本的な違いがこの点にあり、非接触技術の開発が急務の分野だ。

医療機器と非医療機器の重なる領域

 介護患者をどういう手段でモニタリングするのか? 現代から近未来にかけてシルバーエイジが急増する時代の到来に際し、早急な解決策が求められている。

 用途からしても、薬事法上での「医療機器」に対比すれば、「非医療機器」という範疇に分類すべき製品群だ。医薬品については「医薬部外品」という分類があるので、この考え方を基準にすれば、いわば“医療部外機器”ともいえる。現時点では、法的にもグレイ・ゾーンであり、分類上からすれば課題の大きい分野だ。生体情報モニタを例にとっても、医療用、介護用、スポーツ用など多目的の製品が混在する。

 現在、薬事法の改定が進められてはいるが、医療機器や介護機器のカテゴリーの整備も重要課題となっており、動向が注目される。

 とはいえ、介護市場の要望は日増しに強まっているのが現実で、メーカー側はこれに応える必要がある。

「睡眠」をモニタリングする手段

 生体情報モニタの歴史は約50年になる。日本にもまだICUが存在しない時代だったので、対象となるのは術中の重症患者だった。その当時から、心電図が中心的なパラメータになっている。

 ところが、近年では対象者が一般病棟での中・軽症患者や在宅における被介護者などにも広がっている。このような対象者になれば、当然ながらモニタリングの項目も異なってくる。

 最近注目されるようになったのが、睡眠状態の観察だ。意外なことに、これまで、「睡眠」という現象を容易に測定・記録する手段が存在しなかった。眠りを観察するためには、被験者の妨げになるような電極やセンサ類を使わないほうがベターである。

 下の写真はパラマウントベッドの「眠りSCAN」という商品で、マットの下に置くだけで睡眠/覚醒を判定できる。

宮田喜一郎
眠りSCAN

 測定原理はいたって簡単で、高感度の低周波圧力センサが埋め込んであるだけだ。下の図はその測定原理を示してある。被験者の呼吸・心拍・体動などすべての圧力変動をとらえるような高感度センサが使用される。一般的に、体動は呼吸や心拍よりも大きな圧力変化が記録されるので、覚醒状態が明確に判定できる。

宮田喜一郎
眠りSCANの原理

 従って、眠りSCANのセンシング部は非常にシンプルなものだが、ソフトウエア解析によって睡眠経過が確実に表示される。介護の必要条件をクリアした非接触モニタリング技術の一つと位置付けて良いだろう。

 この技術がもたらす効果については、次回のコラムに示す。