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ファウンドリが製造技術でも先頭に

 かつてファウンドリの製造技術は、統合メーカーの製造技術に比べて一段低いとされていた。ファウンドリは研究開発に投資せず、製造装置を買って製造に専念する。したがって最先端デバイスの製造はできず、少し遅れた製品を他社ブランドで安く製造する存在、日本の半導体メーカーはファウンドリを、そう見下していた。日本企業がファウンドリを嫌った理由に、これがある。

 ファウンドリ・ビジネスが始まった当初、その傾向がなかったとは言えない。半導体メーカーが開発した製造技術が製造装置に移転される。ファウンドリはその装置を買って製造する。その間に、かなりの時間差がある。その時間差が、ファウンドリの作る製品の技術的「遅れ」につながっていた。

 しかし事情は変化し、やがてファウンドリが製造技術でも先頭に立つ。日本の半導体メーカーはファウンドリを見下す姿勢を続けているうちに、ファウンドリに製造技術で追い越され、自らファウンドリになることも、ままならなくなってしまった。

 ファウンドリが製造技術で先行するようになった背景に、半導体製造装置メーカーとファウンドリの連携強化がある。既に述べたようにファウンドリは装置の償却スピードが速い。多数の設計会社から製造を請け負い、装置の稼働率を高めるからである。償却が速い分、先に新装置を買える。まず、この効果でファウンドリは統合メーカーより、製造技術で前に出た。

 さらにその後、ファウンドリは製造装置メーカーとの連携を強化する。ある時期から、製造装置開発には、半導体生産ラインが必要になっていた。複数の製造装置メーカーが、同じ半導体生産ラインを使い、装置相互を摺り合わせる。この役割を果たす半導体生産ラインとして、ファウンドリのラインが重きをなしていく。

 ファウンドリは自社ブランドの半導体製品を持っていない。半導体メーカーは顧客ではあっても、競争相手ではない。したがって自社の生産ラインで得た情報を、装置メーカーが公表することを妨げない。 半導体の統合メーカーの場合、自社ラインを装置メーカーに貸して装置開発に協力したとしても、そこで得られた情報を他の統合メーカーに知られることには、抵抗がある。結果として、統合メーカーの生産ラインではなく、ファウンドリの生産ラインが、製造装置開発に使われることが多くなる。 この現象は、半導体製造技術開発の場が、統合メーカーから、ファウンドリと装置メーカーに移ることを意味する。こうしてファウンドリは、製造技術でも先頭に立つに至る