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 韓国Samsung社は、2020年に向けた集中的な育成分野として、医療機器とバイオ製薬を掲げています(この他に、太陽電池と自動車用電池、LEDも育成分野に掲げています)。両分野に対して、合わせて3兆3000億ウォンを投資する計画といいます。

 このうち医療機器については、2011年前半に、診断機器分野の有力企業だったMedison社を買収するなどして、事業領域を広げようとしています。特に、血液検査と超音波検査、体外診断機器の三つに注力する方針で、2020年までに売上高10兆ウォンの達成を目標にしています。

 一方、バイオ製薬については、薬を独自開発することを将来の目標にしているようです。2011年2月には米Quintiles社との合弁でSamsung Biologics社を設立するなどして、同分野攻略の布石を着々と打ち始めています。

 筆者は、後者のバイオ製薬への取り組みに興味を持っています。事業として成果が出るまで、一定の期間が必要になる分野だからです。実際、Samsung社は医療機器分野とは異なり、バイオ製薬分野については当面の売上高の数値目標を設定していないようです。

 Samsung社と言えば、一般には、ある程度完成した市場を攻め、シェアを奪うことを得意としています。バイオ製薬のように長期間の投資が必要で、10年後の売り上げすら設定できないような分野に取り組むイメージは、少なくとも筆者は持っていませんでした。だからこそ、注目しています。

 韓国のITジャーナリストである趙章恩氏は「パリパリ(早く早く)という文化が染みついた韓国で、本当に我慢強く投資を続けていけるのか、関係者の関心が集まっている」と語ります。少なくとも、バイオ製薬への取り組みは、Samsung社の変化を推し量る一つの動きになりそうです。

 デジタルヘルスOnlineでは、趙氏のコラム「韓国スマートヘルスケア最前線」を連載しています。バイオ製薬を含めたSamsung社のヘルスケア分野に対する取り組みなども、同コラムで継続的にレポートしてもらう予定です。