技術者のカフェタイム 食文化とハイテク
目次
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総菜、素材、電子部品――今年のCEATECで感じたこと
2015年10月上旬、IT/エレクトロニクス関連の展示会「CEATEC」が開催された。筆者は近年、CEATECには毎年訪れており、例年通り今年も来場した。実はこのコラムでも昨年、「停滞のCEATEC、成長のFOOMA」という記事を執筆している。その記事の中では、CEATECへの期待を込めて、不振のC…
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コーヒーのフォースウェーブ
前回紹介したコーヒーの「サードウェーブ(第3の波)」を代表する米BLUE BOTTLE COFFEE社は早くも日本2号店を東京の青山にオープンした。サードウェーブが広がるコーヒー業界だが、コーヒー業界の進化はそれだけに留まらない。中でも筆者が注目しているのが「ハイテクノロジーを導入し、コーヒーの魅力…
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「サードウェーブ」はコーヒーだけではない
2013年から日本でも米国発の「サードウェーブ(第3の波)コーヒー」関連の話をよく耳にするようになっている。2015年2月には、サードウェーブコーヒーを代表する米BLUE BOTTLE COFFEE社の日本1号店となる東京・清澄白河店がオープン。オープン当初は、数時間待ちの行列となり話題を呼んだ。こ…
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料理研究家 vs Chef Watson
我々が毎日食べている料理のレシピはどこから得たものなのか――。ふと考えると、なかなか簡単に答えられない気がする。先祖から引き継がれた“お袋の味”もあるが、テレビや雑誌など各種のメディアを通じて知ったものや、料理教室で料理研究家から紹介されたれもの、ネットで調べて得られたものもある。改めて考えてみると…
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技術経営の原点は料理にある
技術経営とは、技術の研究開発から実用までの全過程に対する戦略・戦術的計画を立案し、それらの遂行を管理していくことである。技術系出身者で料理愛好者でもある筆者からみれば、料理は技術経営と似ているところが多い。今回は、家庭料理と飲食店に分けて料理と技術経営の類似性について考察してみる。
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第16回:B級イノベーション
B級と言うと、B級グルメが思い出されるだろう。B級グルメとは、ぜいたくでなく、安くて、庶民的でありながら、おいしいと評価される料理だ。それとは対照的なのが、A級とは呼ばないが、ぜいたくで庶民にはなかなか手の届かないおいしい高級料理だ。そして、国や企業の成長に欠かせないイノベーションについても、B級が…
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第15回:Made in Kyoto~京料理と京企業
京都というと、世界遺産、寺、神社、紅葉、桜を思い浮かべる人が多いだろう。京都は、古都や観光地としてのイメージが強い。しかし、それだけではなく、それ以外に我々と密に関係している二つのシンボルがある。それは京料理と京企業だ。
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第14回:調理家電、2つのショック
食文化とハイテクを同時に感じさせる一番身近なものが調理家電だ。ハイテクによる調理の便利さから、家庭でも、さまざまな料理、さまざまな食文化を味わうことが可能になった。調理家電については日本メーカーが最強だとずっと思っていた。このコラムの初回も日本の誇りとなる炊飯器を取り上げた。しかし、最近、海外発の調…
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第13回:メーカーから食文化の伝道者へ
前回の「オートバイと餃子の『出合い』」では、元々自動車部品メーカーだった東亜工業が、オートバイの部品製造技術を生かして、餃子機器メーカーへ転身したことを紹介した。餃子機器のマーケットを開拓した同社の事業領域は、共通仕様の餃子機器の開発・製造・販売に留まらない。オーダーメードの餃子機器の開発・製造・販…
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第12回:オートバイと餃子の「出合い」
本コラムでは、過去に2回ほど焼き餃子について取り上げている(「第3回:焼きギョーザの『新規性』と『進歩性』」、「第7回:焼き餃子の新たな創造」)。そのうちの2本目で紹介したのが、浜松市にある餃子機器メーカーの東亜工業である。
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第11回:弁当、Bento、小米スマートフォンの共通点
2年前に、「Tech-On!」(日経テクノロジーオンラインの前身)の別のコラム「イノベーション中国発?!」において、「弁当、プレゼン資料、携帯電話機の共通点」というタイトルの記事を書いたことがある。弁当やプレゼン資料の作り方から、日本/米国/中国の人々の思考回路の違いを考察した上で、その違いは実際の…
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第10回:カウンター席では何が味わえるか
食文化は、食べ物だけではなく、食事をする空間にも凝縮されている。例えば、筆者は料理店のカウンター席に座るときに、なぜだかいつもテーブル席や座敷とは随分違う感覚を味わうのだが、読者のみなさんはそんなことはないだろうか。ということで、今回は、カウンター席という日本独特の食空間を考察しながら、技術経営関連…
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第9回:停滞のCEATEC、成長のFOOMA
日経テクノロジーオンラインの読者には展示会「CEATEC」を知らない人はいないかもしれない。しかし、展示会「FOOMA」を知っている人は多分それほど多くないのではないだろうか。FOOMAとは、「food」(食品)と「machinery」(機械)から成る造語である。日本食品機械工業会が主催する国際食品…
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第8回:栄養満点のDIYとは
近年、多くの未婚の若者は「手作り料理をしない」とか「家には包丁もまな板もない」と言われている。しかし、その一方で、休日や余暇を利用して家の補修や木工作業、電子製品の組み立てなどに熱中する、いわゆるDIY(Do It Yourself、日曜大工)好きの人は依然として少なくない。そうしたDIY好きが手作…
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第7回:焼き餃子の新たな創造
本コラム第3回の「焼きギョーザの新規性と進歩性」では、日本の焼き餃子は中国発祥の水餃子のイノベーションにより生まれた新しいタイプの餃子であると書いた。その焼き餃子は現在、世界中に広まる日本食ブームによって、海外でも急速に知名度を高めてきている。今回は、焼き餃子の世界展開を支える餃子の製造機器と、それ…
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第6回:食品サンプルとIT世界の共通点とは
「料理店の食品サンプルと、スマートフォン(スマホ)のタッチパネル、携帯電話(フィーチャーフォン)の絵文字、パソコンのアイコン、無料通話・メールアプリ「LINE」のスタンプとの間には共通点がある」。こう言われたら、みなさんは信じるでしょうか。一見、無関係だと思われるこれらだが、実は筆者はこれらには共通…
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第5回:「料理研究家」と「科学研究者」
テレビの料理番組、雑誌や新聞、料理教室などでは、多くの「料理研究家」が活躍し、料理の美味しさと楽しさを伝えている。一方、最近の「STAP細胞」の騒動は、「科学研究者」に対する世間の関心を高め、科学研究者がどのような活動をしているのかをこれまでなかったぐらい世に広める機会となった。「研究家」と「研究者…
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第4回:ジョブズはなぜ寿司とそばが好きなのか
最近、『ジョブズの料理人』(日経BP社出版局)という本を読んだ。米Apple社(以下、アップル)の共同設立者の1人であるスティーブ・ジョブズ氏(以下、敬称略)を主人公としたものではなく、米国シリコンバレーで奮闘した1人の和食シェフに関する物語である。これを読んで、ジョブズがすしやそばなどの和食がいか…
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第3回:焼きギョーザの「新規性」と「進歩性」
焼きギョーザを好きな方は多いだろう。仕事帰りに、焼きギョーザをつまみにビルで軽く一杯。仕事で疲れた会社員にとって至福のひと時だ。ところで、美味しい焼きギョーザと餃子の元祖である水餃子との違いを知っていますか。そして、焼きギョーザを食べるときに、「ハイテク」の「味」を感じていますか。ということで、今回…
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第2回:料理のデジタル化
インターネット、デジタル家電、スマートフォン(スマホ)、タブレット端末の普及で、生活環境はますますデジタル化され、我々はいつの間にかデジタル化の波に飲み込まれている。そして、その波は料理の世界にまで押し寄せてきている。料理は、味付けや火加減など微妙なコントロールが求められるので、どちらかというとアナ…