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 ドイツでは、産官学が一体となって「Industry 4.0」(ドイツ語ではIndustrie 4.0)という高度技術戦略を推進している。そのコンセプトは、「世界が直面している問題を工場が解決する」という壮大なものだ(関連記事)。第4次産業革命を標榜するIndustry 4.0とは、どのような取り組みなのか。そして、Industry 4.0によって工場はどのように変化するのか。Industry 4.0に深く関与する独Siemens社Industry Sector, Vice President of Advanced Technology and StandardsのDieter Wegener氏に聞いた。(聞き手は、高野 敦=日経テクノロジーオンライン)

――Industry 4.0のコンセプトが生まれた経緯について教えてください。ドイツの産業界や政府は、どのような問題意識に基づいてIndustry 4.0を推進しているのでしょうか。

Siemens社のDieter Wegener氏

Wegener氏:Industry 4.0は、ドイツ政府が推進する「ハイテク戦略」(High-Tech Strategy)の1つです。ドイツ政府がハイテク戦略を策定したのは、世界が直面している多くの課題を解決する上でドイツが主導的な役割を担うためです。ハイテク戦略によって科学・研究の裾野が広がり、上質な技術が開発されれば、ドイツに確かな繁栄と雇用がもたらされるでしょう。

 ハイテク戦略は、2006年8月に始動しました。当初は、ドイツの全政府機関を巻き込む形で、異なる分野のさまざまな研究やイノベーション活動を統合する国家的なアプローチという位置付けでした。現在は「ハイテク戦略2020」(High-Tech Strategy 2020)として、「気候/エネルギー」「健康/栄養」「モビリティー」「セキュリティー」「コミュニケーション」の5分野にまたがるアプローチに発展しています。特に、今後10~15年で技術的な進展が見込めるプロジェクトに焦点を合わせています。イノベーションを生み出すための戦略やその実現に向けた計画も策定されました。

 Internet of Things(IoT)やInternet of Servicesによる生産プロセスの革新というのは、Industry 4.0のコンセプト全体から見ればほんの一部にすぎません。技術のリーダーであるドイツは、それによる競争力の向上でも優位な地位にあるとみています。