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 LED照明は白熱電球や蛍光灯などの既存照明に代わり、特別感のあるものではなく、名実ともに身近な存在となった。最近の関連展示会は、ひところの賑わいやギラギラ感を失いつつある。これはLED照明市場の成熟を意味していると言えそうだ。

 これまでは誰でも彼でもLED照明分野に参入し、とにかく光らせていれば興味を持ってもらえた。しかし、今後は簡単なPR戦略では販売拡大が難しくなっていく。単価が大幅下落したこともあり、利益確保が難しい商材になった。照明単体を販売するだけのビジネス戦略では、事業拡大が難しい局面に入ったのだ。2014年は、次の一歩を模索する転換点になるのであろう。

 実際、2014年3月に東京ビッグサイトで開催されたLED照明関連の展示会「LED Next stage」の来場者数は5万1033人と、2年前の前回に比べて1万8000人近く減った。1年おきに交代で開催する照明関連の展示会「ライティング・フェア」では2013年の来場者数が約7万7000人だったことを考えると、ほぼ2万6000人の参加者減である。

流通ベースで日本の照明器具の4割はLEDに

市場が成熟し始めたLED照明は、ひところの賑わいが消えつつある。一方で、有機ELでは新提案が相次いだ。写真は、LED Next stageに設けられた有機EL照明の製品を展示する特別コーナー。15社が製品を出展した。(写真:Granage LLP)
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 日本照明工業会(JLMA)は、2012年に流通ベースで日本の照明器具の4割がLED照明になったと公表している。LED Next stageに先駆けた日本経済新聞の報道によれば、パナソニックは2015年中に生産するすべての住宅照明器具にLEDを採用する。同社では、2013年中に出荷した住宅用照明器具の8割以上がLED照明だったという。東芝ライテックでも、出荷する照明器具のうち7割がLED照明になった。

 2013年に両社やシャープは、LED照明ビジネスでBtoC(一般消費者向けビジネス)からBtoB(企業向けビジネス)へと事業構造を大きく転換した。国内大手メーカーの多くは価格競争の激しい民生用への注力を避け、企業向けのカスタマイズ品の開発や販売に注力する方針というわけである。グループ内に持つ豊富な販路を生かして、照明システム全体を提案する事業で照明専業メーカーとの差異化を図っている。

 パナソニックは、旧パナソニック電工の事業リソースを強みに、「ビルまるごと」「店舗まるごと」「施設まるごと」「街まるごと」といったLED照明のシステム化を強く打ち出した。利益率の高いBtoB事業に力を入れる方針によって、利益率は改善の方向へと転換している。