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ロボットはテレワークを活性化するか

Yahoo!社 CEOのMarissa Mayer氏
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 進出した企業の中には、IT関連の開発だけでなく、営業もテレワークで実施しているところがある。徳島県が県全域に光ファイバー網を整備したことに加え、過疎地ならではで人口が少ないこともあり、ブロードバンドの通信速度が極めて速い。これは、情報量の多い動画を扱う企業などに大変好評であるという。

 ただし、こうしたICTが変える新しい働き方の問題点を指摘する声もある。昨年2月に米Yahoo!社でCEOに就任したMarissa Mayer氏が、在宅勤務禁止令を出したことが話題になった。社内のコミュニケーションとコラボレーションが減少したことがその理由だ。一方でMayer氏は、在宅勤務は生産性が上がるとも述べている。

 私が所属するキリンでも在宅勤務をする人が少しずつ増えてきている。メンバーと事前に在宅勤務時の業務内容とその水準、納期について約束を交わすため、かえって生産性が向上する印象がある。もちろん、実際に顔を合わせて議論する「場」をもつことで、新しいアイデアが生まれたり、議論のレベルが一段上がったりすることは間違いない。どちらが良いかではなく、在宅勤務とオフィスでの勤務を組み合わせる取り組みによって、両方の働き方の長所を活かすことができるのではないだろうか。

 さらに米Double Robotics社などが投入している、テレプレゼンスロボットと呼ばれるような装置の導入が進めば、ちょっとした相談や問い合わせがしにくいといった、在宅勤務のコミュニケーション上の問題点を低減させることができるかもしれない。

Double Robotics社のテレプレゼンスロボット
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 つい先ごろ、発刊された『未来の働き方を実験する 神山プロジェクト』(日経BP社)を読んで、生き生きと働き、ワークライフバランスを実現している若者たちの様子を知り、私もできることならば神山町に移住したくなった。地域再生の方法論としても興味深い。

 無論、個人が自ら働き方を選べることが重要である。専業主婦という存在への賛否や在宅勤務の是非を、精神論で語るだけでなく、さまざまな実験が行われている神山町の事例に向き合ってみてはどうだろうか。

 その時、買物や衣食住などの日常の過ごし方や、コミュニティーとの関わり方など、消費のあり方も変わっていくだろう。キリン食生活文化研究所のWebサイトにも「働きかたが変わると飲みものはどうなるか?」というテーマでレポートを掲載している。参考になれば幸いだ。