リアル言えない大事
目次
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大岡裁き
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #060
最近、思わずうなってしまったことがある。うなった理由は、素晴らしい裁きだったからだ。裁きと言って、何も誰かが悪いことをして、その裁判をした訳ではない。事の理非(理に適うかそうでないか)をズバリと明らかにした、その采配にうなったのである。そして私は、開発にも大岡裁きがあると知ったのだ。
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上司三日で部下三年
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #059
上手いことを言うものだ。上司の良し悪しは三日で分かるが、部下の出来は、少なくとも三年間付き合わないと分からないと言うのである。確かに、そうではないか。
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買える立場
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #058
金さえ出せば何でも買えると、誰もが思う。しかし、そうは行かない方が多いのではなかろうか。以前、ある開発を進めるうちに、小型モーターが必要になった。どうせなら汎用品を使うのがいいだろうと、有名な小型モーターのメーカーに問い合わせたのである。
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自社製品にお辞儀する
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #057
いいことを聞いた。最近クルマを買い替えた人の話である。何でも、その人はずうっと国産車、しかもあるメーカーの一点張りで、他のメーカーにはピクリとも関心が無かったそうな。それが、買い替えたクルマは外車で、今まで一度も気にしたことのないメーカーだったとか。で、その理由が、これまた明快なのである。
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焼かななおらん
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #056
いささか物騒な話で、「馬鹿は死ななきゃ直らない」と言うときがある。それを、ある地方では、「焼かな直らん」と言うのだそうだ。死ななきゃ…を一歩踏み込んで焼かなければ直らないと言い切るのもすごいが、いずれも本質は同じだ。
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モノからコト、そしてコンテンツ
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #055
モノからコトへ、と私は30年くらい前から言い続けている。いずれ、モノはあふれてコスト競争になり、モノの価値から使い方や使った結果のコト(事柄)の価値にシフトすると思ったのである。
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柾目と板目
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #054
家を建てたり家具をつくる時、木材を使うことが多い。この時、使用する木材の板取りが重要だ。板取りとは、原木から板を切り出す時に、年輪の目に対してどのような角度で切り出すか、ということだ。
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ご指南様の七嘘
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #053
東北のある地域では、仲人さんを「御指南様(ごしなんさま)」と言うそうだ。なんとなく、縁談の指南役という意味がストレートに分る、いい呼び方である。そして、この地域では「御指南様の七嘘(ななうそ)」という言い伝えがあると言うから面白い。
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外に向かえば面白い
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #052
ビジネスマンの愚痴で一番多いのは、多分、仕事が面白くないということだろう。この間も、飲み会の席で、つい、そんな愚痴を口にした人がいた。当人は、会社の悪口を言っているわけでもなく、最近、仕事の内容が変わって、以前のような面白い仕事ではなくなったということである
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狭い道なら追い越されない
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #051
「企業は競争があるから成長する」と、人は言う。しかし、では、成長したくて競争し続けている企業があるのだろうか。自らが競争を仕掛け、競争こそが成長するための唯一の手段と考えている企業が、本当にあるのだろうか。
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旬な自慢話
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #050
旬(しゅん)という言葉がある。魚や野菜、果物などがよくとれて、味の良い時期のことである。転じて、物事を行うのに適した時期を言うこともある。そして、旬を外すと食べ物は不味くなり、物事は上手くいかなくなるようだが、どうも、自慢話を言う場合にも旬があるのではないかと思うのである。
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浮世離れもいいではないか
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #049
たまに、「あの人、浮世離れしている」と言うことがある。浮世離れとは、世間の常識からかけ離れた言動や事柄のことで、あまり周囲のことを考えず、ひたすら我が道を行くマイペース、あるいは、ノンビリしている人と言うことだろうか。
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異動もいいど
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #048
春は異動の季節。栄転もあれば左遷もあるし、遠い地域への転勤もある。サラリーマンにとって、この時期はまさに悲喜こもごも、プロ野球で言うところのストーブリーグである。
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言いだしっぺが一番
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #047
少々下品な物言いで、言い出し屁(いいだしっぺ)という言葉がある。最初に臭いと言い出した者が、おならをした当人だという意味である。または、自分の無実や潔白であることを最初に言い出した者が、本当の犯人であることも言う。
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大河のように
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #046
開発とは川の一生のようでもある。そして、大河のような開発ができれば最高だ。開発はニーズが見えた時に始まる。お客様の欲しい商品やサービスがニーズであり、それが見えたときに開発が動き出す。
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助平心と付き合おう
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #045
助平心(すけべごころ)は誰にもある、と思う。「ない!」と言い切る人もいるだろうが、私の心の内には、この助平心が常駐していて、案外、仲良く付き合っているのである。多分、多くの人は私と同じように助平心があるのではなかろうか。
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お年頃
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #044
メジャーで活躍しているイチロー選手の話を聞いて、なるほどと思った。記者に、自分の年齢についてどう思うかと聞かれ、「25歳なのに45歳に見える選手もいる。自分は、今がお年頃なんです」と、涼しい顔で言ったとか。
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負け犬の尻込み
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #043
非難をするのではない。しかし、自分で負け犬だと思い込み、新しいことにチャレンジしないのは、どう考えてもおかしい。いや、もったいないではないか。
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水戸黄門の気持ち
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #042
水戸黄門とは、実在の水戸藩主であった徳川光圀公のことである。実際には諸国を漫遊したことはなかったらしいが、名君として知られ、これだけ庶民に慕われたお殿様も珍しい。現代において、それがTVの長寿番組になったのも、いつの時代にも黄門様は慕われていたからだろう。
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とめるのも開発
“開発の鉄人”がこっそり教える虎の巻 #041
いつも言うが、開発を進める中で駄目と分かったら止(や)めることだ。これは本質的な話だが、開発を進めて行くと、かなり早い時期に、上手く行きそうか駄目か、分かるのである。