連載主旨
モータージャーナリストの御堀直嗣氏が、国内外の注目新車をインプレッション。電気自動車、ハイブリッド車からディーゼル車、ガソリン車まで、注目新車を競合車と比べて詳細に解説する。

御堀直嗣の注目新車インプレッション
目次
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スズキの小型車「クロスビー」、低速域の走りは滑らかだがハンドル位置は前後に設定できない
SUZUKIから、ワゴンとSUVを融合したクロスオーバーワゴン車XBEE(クロスビー)が新登場となった。車名は、Crossover to be exitingに由来するという。
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VW「アルテオン」、フラッグシップ車だが車線変更後のACC加速は弱い
ドイツのVolkswagenから新しく発売されたARTEONは、日本市場におけるフラッグシップとなる4ドアクーペだ。
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BMW「X3」、瞬発力に欠けるターボ 高速域の操安性は高い
ドイツBMW社のSUV(BMW社ではSAV/スポーツ・アクティビティ・ヴィークルと呼ぶ)であるX3が、フルモデルチェンジをして3世代目となった。一見したところ、前型と外観はあまり変化が無いようにも見えるが、BMWの象徴であるキドニーグリルがやや大きくなっている。
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マツダ「CX-8」のディーゼル、静粛性高いがアクセル操作に物足りなさ
マツダから、3列シートのクロスオーバーSUVであるCX-8が誕生した。2012年に登場し2017年にフルモデルチェンジをして2世代目となったCX-5と、CX-8の車幅は同じで、3列目がある分360mm全長が伸びている。米国向けのCX-9のプラットフォームを基に、国内向けとして最適な車体寸法にしたとの…
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ホンダ「シビック」、操縦安定性向上 ターボだが走り出しに物足りなさ
Honda CIVICの10世代目が国内でも発売された。日本の4ドアセダン市場が縮小しているとの理由で、一部英国製のタイプR限定販売以外は9世代目シビックの国内販売が見送られてきたが、再登場ということになる。
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2代目「リーフ」、e-ペダルは街乗り向き 高速走行の微調整は難しい
日産自動車から、電気自動車リーフの2世代目が発売となった。新型の開発で目指されたのは、より普通のクルマとして安心して利用できることである。初代初期のJC08モード200kmから、マイナーチェンジで228km、280kmと伸びてきた一充電走行距離は、この新型で400kmまで性能を高めた。
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GM「キャデラックXT5」、かつての”アメ車”とは異なる滑らかな走り HMIに改善余地あり
米国GM社の高級車ブランド「Cadillac」の最新SUVが、「XT5 CROSSOVER」である。前型のSRX CROSSOVERの後継に位置付けられる。競合車種とみられるのは、価格帯に幅があるものの、Lexus RX、Range Rover Velarなどであろうか。
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Alfa Romeo新型「ジュリア」、アクセル・操舵の応答の速さ 制動を上回る
イタリアのAlfa Romeoから、Giuliaが発売された。ジュリアの車名は、1962年から77年まで生産された初代からの復活となる。
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「メルセデス・マイバッハSクラス」、マイバッハ復活も固有の価値は見い出しにくい
ドイツのMaybach氏は、20世紀初頭にダイムラーと共にガソリンエンジン自動車の開発をした技術者である。その後独立して、飛行船のエンジンや高級車を開発し、販売した。戦後、DAIMLER BENZ社の傘下となり、独自車両の開発は行われていない。そして、DAIMLER CHRYSLER時代の2002年…
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「Range Roverヴェラール」、走りは軽快だが個性を生かし切れてない
Land Rover社のRange Roverに新しい車種としてVelar(ヴェラール)が加わった。ヴェラールは、コンパクトSUVであるEvoqueとスポーツSUVのSportの間に位置するクロスオーバー車である。この車名は、初代レンジローバー開発中のコードネームだったということで、レンジローバー各…
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ホンダ「N-BOX」、気になる操縦安定性 車高拡大が要因か
ホンダの軽ワゴン車「N-BOX」が、全面改良して2世代目となった。2011年に発売した初代の人気が高いせいもあるだろう、一見しても新しさに気づかないほど、先代の印象を継承した外観デザインとなっている。そして、装備や使い勝手なども、初代の良かった点をさらに磨き込んだという作り込みである。
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トヨタ「カムリ」、300万円以上するが単調な内装に疑問
北米市場では、常に競合のHONDA Accordアコードと販売台数を競っているTOYOTA CAMRYが、フルモデルチェンジをした。先代から、日本市場においてはすべてハイブリッド車(HEV)となり、新型も国内はHEVのみでの販売となる。
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スバル「レヴォーグ」、白線が見えなくても車線中央維持
SUBARU(スバル)のLEVOG(レヴォーグ)が部分改良した。そして、スバルの運転支援システムであるアイサイトに、ツーリングアシスト機能が追加となった。今回の試乗は、7月にマイナーチェンジの発表は済ませたものの、発売が2017年8月からとなるため、公道ではなく敷地内での走行となった。
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「スムーズな加減速で安心感」、日産のエクストレイルHEV
日産自動車のSUVであるX‐TRAIL(エクストレイル)が部分改良した。これを機に、運転支援機能のプロパイロットがメーカーオプションに設定された。プロパイロットの設定は、ミニバンのSELENA(セレナ)に次いで2車種目である。
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「発進時のEV走行にこだわり」、MINIクロスオーバーPHEV
BMW社のMINIクロスオーバーについては、5月に一度紹介している。ただし当時は、ディーゼルターボエンジン車のみの試乗であり、今回は、遅れて導入されたプラグインハイブリッド車(PHEV)の試乗である。
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英国Land Rover社「DISCOVERY」、スーパーチャージャーは高回転域で効果発揮
英国Land Rover社のDISCOVERYが、フルモデルチェンジをして5世代目となった。世代を追うごとに大型化し、新型では全長4,970mm、全幅2,000mm、全高1,890(パノラミックルーフ付1.895)mmにまでなっている。
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新型ゴルフ、カーナビ画面でジェスチャー操作可能も応答確実性が不十分
“新型Golf販売開始”と公表されたが、現行モデル“Golf 7”を全面改良した訳ではない。こうした標記の仕方は分かり難く、違和感を覚える。
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ダイハツ「ミライース」、燃費よりも静粛性や運転姿勢の改善に注力
ダイハツ工業が軽自動車「ミライース」を全面改良して2世代目となった。2011年に発売した初代で30.0km/Lを上回り、”第3のエコカー”という価値を定着させたミライースだが、今回はスズキ「アルト」の37.0km/Lを下回る35.2km/Lにとどまり、燃費の優位性ではなく、全体的な性能や品質の向上に…
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Peugeot社の新型「3008」、ターボで軽やかに加速するも操舵支援は強め
フランスPeugeot社の新型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「3008」は、「308」で採用した新ラットフォームを使うほか、ステアリングホイールの上からメーターを見通す「i-Cockpit」などを採り入れた。
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Audi社の最小SUV「Q2」、乗り心地は固め 気筒休止は気にならず
ドイツAudi社で最も小型のSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)となる「Q2」が新登場した。Audi社のSUVはこれまで、上から順に「Q7」「Q5」「Q3」となっており、Q3が最も小さなSUVだった。