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見る人は止まっているか動いているか

 例えば、同社が電車のドアの上方に設置しているデジタルサイネージ「トレインチャンネル」。この広告を見る人は、当然のことながら電車に乗っていて(車内の同じ場所にとどまっていて)、かなりの人は暇を持て余していると考えられます。観光に来ているのなら別ですが、いつも乗っている電車であれば外の景色も見飽きていることでしょう。そんな時、ドアの上のディスプレーで動画が流れていれば、ついつい目が行ってしまいます。JR東日本企画では、そんな見る人の状況を想定して、トレインチャンネルに広告だけではなく、天気予報やニュースといったコンテンツも流しているそうです。

電車の中にあるデジタルサイネージ「トレインチャンネル」
電車の中にあるデジタルサイネージ「トレインチャンネル」
都内などではおなじみの光景。隣のディスプレーには電車の行く先や次の駅の情報が掲示されるので、自然と目が行く。これもヒットの理由の1つだ。

 この点で同社は、品川駅の自由通路では全く別のアプローチを採用しています。広告を見る人は、電車内にとどまっているトレインチャンネルとは異なり、自由通路を歩いています。つまり、見る人の目線が常に動いている状況なのです。目線が動いているので、1枚のディスプレーを設置して動画を流しても、見る人にとっては動画には見えません。一瞬で通り過ぎてしまうからです。そこで同社は、ディスプレーを何枚も並べました。見る人が歩いて移動しても、次に登場したディスプレーで動画の続きを見られるようにしたわけです。

 そう、デジタルサイネージで成功を収めるためには、こうして「見る側」の状況を考慮することが非常に大切になります。