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 共通の目的や価値観を持つ人が共に暮らすタイプのシェアハウスが人気を集めている。例えば、起業家予備軍が切磋琢磨したり、外国人との共同生活で英語の上達を目指したり。同じ価値観の人を募ってシェアハウスを企画するサイトも現れている。 不動産大手の参入も始まった。

 シェアハウスに集う生活者は、共同生活に何を求めているのか。世界や日本のマクロ環境の変化や、独自の消費者調査などを基に今後5年間の消費トレンドを予測したレポート『消費トレンド 2014-2018』(日経BP社)の著者で、消費者動向に詳しいキリン食生活文化研究所 所長の太田恵理子氏は、そこで生活する人々は未来をシェアしているのだと見る。(日経BP未来研究所

コンセプト型シェアハウスが増えている

 6月の終わり、私は大学時代の4年間を過ごした女子学生寮のホームカミングデーに参加した。当時は、40人を超える女子大生が暮らしていた寮。一人用の個室ではあったが、風呂もトイレも共同、共有部分の掃除や夕食の後片付けなど、入寮者が分担して行うタスクもあった。

 門限や消灯時間なども、一緒に暮らすカトリックのシスターから厳しくチェックされた。任意参加ではあったが、精神修養を行う黙想会や、ハンセン病療養所の慰問などのイベントもあった。厳しくはあったが、本音でぶつかりあう4年間の共同生活は、人間的な成長をもたらしてくれたと思う。

 その学生寮が2007年に全面リニューアルし、各部屋にユニットバスが付いた。毎日の夕食も基本はバラバラ、タスクや門限もなくなったという。見た目がとてもきれいになっただけでなく、かなり自由度が高くなった印象だ。それでも全28室は埋まっていない。朝夕の食事付き(平日のみ)で月10万円強という費用の高さも要因かもしれない。近隣のワンルームマンションの相場より安いとはいえないからだ。それよりも、共同生活ならではの魅力を出せていない点が課題なのではないかと感じた。

 今、東京を中心にシェアハウスが増えている。中でも、コンセプト型と呼ばれる共通の目的や価値観を持つ人が共に暮らすタイプのシェアハウスが人気だ。

 2013年末、その一つである「X-garden桜台」(事業主:東都、運営:彩ファクトリー)を訪問した。ここは、起業家または起業を目指す人が入居し、夢の実現に向かって切磋琢磨することをコンセプトにしている。入居費用には、著名な起業家などのセミナーが含まれており、シェアハウスの管理者が独自にビジネスプランコンテストも開催している。

X-gardenで開催されたセミナーなどのイベント写真を前にシェアハウスでの活動を説明する内野氏(写真:筆者)
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 ここを企画・運営する彩ファクトリー代表の内野匡裕さんにお話を伺った。内野さんは、英語を上達させたいとみずからシェアハウスに住んだ体験から、人と人との交流が生み出す気付きや学びを広げたいと考え、コンセプト型シェアハウスをプロデュースする彩ファクトリーを創業した。同社が運営するシェアハウスの中でも、一定の割合で外国人が住み、日常生活の中で英会話を学ぶことができる物件は、長い入居待ちが出るほどの人気となっている。

X-garden入居者が想いを綴る掲示板(写真:筆者)