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 毎年、話題を集める世界企業のブランド価値ランキング。英インターブランドが2013年9月末に発表した2013年度版の「ベスト・グローバル・ブランド」では、米アップルが初の首位に躍り出たほか、米グーグルが2位、韓国サムスン電子がアジア最高の8位となった。日本勢ではトヨタ自動車が10位、ホンダが20位、ソニーが46位という結果になった。

 アップルとグーグルはイノベーションを推し進めている典型的企業。その根底には、グローバル競争を意識した原理が作用している。日本企業も、様々な分野でイノベーションを起こしているが、アップルやグーグルと比べると今一歩の感がある。

 筆者が注目したのはサムスン。2002年は34位だったが、10年余りでトップ10入りを果たした。グローバル化とグローバル競争力を高めてきた実績が評価されブランド力が向上している。だが、サムスンでもアップルやグーグルに比較すると、革新性ではまだ見劣りしてしまう。

 「キャッチアップ型」のビジネスを成功させてきたサムスンが、半導体メモリーや液晶、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)、リチウムイオン電池など、数多くの分野で業界トップシェアを誇るのは周知の事実。サムスンにとってシェアを向上させていくという「命題」は今後も続くが、新たなイノベーションを実現するビジネスモデル創りが求められている。つまり、キャッチアップ型から「革新型」へのシフトだ。

 「産業」「芸術」「教育」そして「スポーツ」。社会は常に競争原理が働いている。スポーツに関しては、2020年の東京五輪を目標に中学生や高校生が「晴れ」の大舞台で活躍するための競争が始まっている。五輪という原動力が競争意識を育んでおり大いに期待したい。

大学教育はグローバル化に遅れ

 日本の中でグローバル化が進む分野は多い。代表例は自動車業界だ。環境規制を先取りした排ガス浄化システム、電動化技術、素材の先進性、現地生産、グローバル調達でのコスト競争力など枚挙に暇がない。10社以上の企業がしのぎを削りながら利益を叩き出している。

 研究開発分野も、グローバル化が進む代表例だ。ノーベル賞などを受賞する先端研究は世界に誇れるものといえる。地道な基礎研究と情熱や執念が相まって成果を生み出している。韓国内では見られない光景だ。

 近年、グローバル化が進むのがスポーツ界。野球やサッカーを中心に世界で活躍するプレーヤーが本当に増えてきた。野球もサッカーも、日本は後発組。以前は世界で通用するプレーヤーは多くなかったが、今はまったく様相が異なった。

 音楽界でもグローバルな活動は数多く見られる。世界最高峰のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団では日本人の安永徹氏が1983年から2009年までコンサートマスターを務めたほか、そして2010年には樫本大進氏が31歳でコンサートマスターに就任した。クラシック音楽では後発といえる日本人が最高峰のオーケストラを率いている。NHK交響楽団もクラシック音楽の本場である欧州で公演を行い絶賛されているなどの例もある。

 ドメスティックな印象が強い金融・証券分野でも、実は人材の流動に関してはグローバル化が進む。製造業とは異なり、日本国内でも人材が動く。キャリアを蓄積して他の企業へ移籍し、条件やステータスを上げていくことが業界標準となっている。

 一方で、日本の中でグローバル化が遅れている部分も多い。筆者は大きく6つあると考えている。1つは大学教育。海外からの留学生は減少傾向にある。韓国人学生も2005年前後までは日本へ多く留学していたのだが、ここ数年間は減っている。その結果、留学生が流れているのは圧倒的に米国。それだけ魅力があるということだ。

 外国人教員の採用が遅々として進んでいないことが大きな理由だ。米国のハーバード大学をはじめとする有力大学では、外国人教員比率は30%を超えているが、日本では東京大学でさえ5.4%という低調ぶりだ。

 日本の大学も手をこまねいているわけではない。外国人教員比率を向上させる狙いもあり、現在6万人の大学教員のうち1万人に対して年俸制を導入するという。成果主義により競争意識を掻き立てるシステムだが、希望しない教員は従来通りの雇用形態を採るところが何とも日本らしい。いずれにせよ、外国人教員にとって魅力ある制度になることを期待したい。