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タニタとオムロンはここが違う

 まず、デュアルのビジネスモデルが他のメーカーの体組成計のそれとどう異なるかを見ていきましょう。そうすれば、デュアルの特異性がより具体的にお分かりいただけると思います。

 もしあなたが会社の経営者で、ある分野で高い技術力を保有していたとします。ただし、現在、あなたの会社で販売している製品は、買い替え需要の小さな物。あなたはどうやって売り上げを拡大しようと考えるでしょうか? 最初に考えられるのは、保有技術を生かして他の分野に手を広げることでしょう。例えば、タニタの競合であるオムロンは、この戦略を採用しています。

 オムロンのWebサイトを拝見するに、同社は1932年、レントゲン写真用のタイマーの開発に成功し、翌年にそれを事業化して創業しています。レントゲン向けタイマーの生産が軌道に乗ると、次に同社は、タイマーで使用している継電器を改良し、配電盤用の継電器を開発して市場の幅を広げました。同社はその後、「オートメーション」と「センシング」技術を武器に、様々な分野で地位を確立していきます。そのうちの1つが創業当初から親しんできた医療(病院)分野。そこから体組成計のような消費者向けヘルスケア分野にも事業を広げていきました。そう、オムロンは創業当時から、1つの技術で圧倒的優位に立った後、その技術を応用して他の分野に手を広げていくというビジネスモデルを採用してきたのです。

 これに対してタニタの戦略は異なります。タニタは1923年創業の老舗で、1959年に体重計を販売し始めてから、ヘルスケア分野で高い測定技術を蓄積してきました。ところが、その技術を他の分野にも売って市場を広げることはしていません。あくまで、ヘルスケア分野にこだわり続けているのです。むしろ、「ヘルスケアに関することであれば何でもする」といった考え方。書籍「体脂肪計タニタの社員食堂」(大和書房)の販売や、カロリーや栄養を考慮した食料品の販売などに新規参入しているところから、同社のそんな方針が垣間見えます。

タニタ本社にある社員食堂
タニタ本社にある社員食堂
基本的には一般に公開していない食堂を撮影させてもらった。予約制で、全社員がここで食べられるわけではないそうです。

 つまり、オムロンはオートメーション・センシング技術を軸に、タニタはヘルスケア分野を軸に多事業展開しているというわけです。