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他社との連携に「オープンさ」は不可欠

 タニタが書籍や食料品の販売に参入した、といっても、同社が実際にそれらの商品を作っているわけではありません。それぞれの分野を専門とする企業と手を組むことで、効率的に新分野に事業を拡大しています。このように、異分野の企業が連携して新しい製品やサービスを生み出すことを「共創」といい、主にものづくり業界でトレンドになっています。タニタはまさにこのトレンドの先を行く会社なのです。

 実はデュアルのビジネスモデルにも、共創が深く関わっています。デュアルは2014年8月現在、4つのiPhoneアプリと連携することが可能です。具体的には、測定結果を細かく管理できる「健康管理アプリ HealthPlanet」、アニメのヒロインとランニングバトルができる「ランニング応援ゲーム ねんしょう! 2+」、自分のトレーニングがキャラクターをイケメンに育てる「イケメン育成ダイエット―ふとしの部屋」、割れた腹筋を手に入れるための「365日腹筋アプリ SitApp」、の4つ。1つめのHealthPlanetはタニタが自社(子会社)で開発・提供していますが、これ以外は全て専門のアプリ開発会社が手掛けているものです。

 他社開発のアプリとデュアルを連携させるためには、デュアルのAPI(Application Programmig Interface、プログラミングの際に使う規約や関数など)を提携先に公開する必要があります。これを躊躇する企業は多いかもしれませんが、公開すると、外部のリソースや知恵、販路などを活用できるようになる利点があります。ゲームアプリの知識もノウハウもないのに自社開発しようとするより、専門の企業に任せた方がより良い商品を早く作れる、というわけです。

 今後、連携できるアプリを増やしていけば、ユーザーを飽きさせず、かつ新たなユーザー層の確保にもつなげられるでしょう。この「買い替え需要の小さな物(ハードウエア)」と「どんどん乗り換えられるアプリ(ソフトウエア)」との組み合わせは、あらゆる分野で応用できそうなビジネスモデルだと思います。

 さて、日経ものづくり本誌と連動してお届けしてきた「ヒットの謎解き」Web版ですが、今回が最後になりました。お読みいただいた皆さま、本当にありがとうございます。これまでご紹介した事例をまとめて読みたいという方は、そろそろ書籍が店頭に並んでいる頃だと思いますので、ぜひご覧ください。

本コラムをまとめた書籍「ヒットの謎解き」が発売
本コラムをまとめた書籍「ヒットの謎解き」が発売
2014年9月22日発行予定ですが、そろそろ書店に並んでいるはずです。こちらもよろしくお願いいたします!