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医療を受けられない妊婦に知識や励ましをメッセージング

 発展途上国における活用方法を挙げるのであれば、Mobile Alliance for Maternal Action(MAMA)が行っている妊婦向け教育プログラムがあります。低所得国では一般的に病院へのアクセスが悪く、通院することができない妊婦の方が多くいます。これまでであれば病院へは通院できず、安心できる医療サービスを受けられずにいました。

 そんな彼女らに対して、携帯のメッセージング機能を使って、妊娠時に気を付けなければいけないことや症状が現れたときの対処法などの知識教育や精神的な励ましを携帯メッセージで送るというサービスをMAMAは提供しています。現在のところ、バングラディッシュ・南アフリカ・インドを中心に活動をしています。

MAMAメッセージングの流れ

 教育プログラムは、ハーバードメディカルスクールの教授など専門家の医師らによりしっかりと監修され、エビデンスに基づいて組まれており、医療プロフェッショナルから見ても素晴らしい点です。さらにUSAIDやUnited Nations Foundationといった公的機関としっかりとパートナーシップを結びながら、その活動を広げており、医療アクセスのない発展途上国へ新しい医療の形を提供しています。

 今後様々なモバイルテクノロジーやサービスが日本でもたくさん現れてくるでしょうし、アカデミアでもモバイルヘルスに関する研究がより進められていくことと思います。米国などを見てみると、既に数えきれないほどのサービスがマーケットに出てきているだけでなく、10年以上前からモバイルヘルスに関する研究は数多く行われており、アカデミアでもその認知度は上がってきています。

 私は去年の12月にワシントンDCで行われたmHealth Summitという学会に出席した際、そこに参加している医師や一般企業の方々の多さに驚きました。そこでたまたま話した米国の医師との会話で、彼が「今後モバイルヘルスで、医療のあり方がどんどん変わっていくね。とてもエキサイティングだ」と言っていたのが印象的でした。

 学会のセッションでは、FDAやNIHの要人がスピーカーとして参加し、国としてどのような規制や政策を通して、この産業を盛り上げていくべきかという議論がされているのを聞いて、これまでは研究レベルで進められてきたモバイルヘルスが、臨床応用の段階に入ってきているのを強く感じました。それとともに、日本も早く追いついてほしいという想いを強く持つようになりました。

 次回は、これまで行われたモバイルヘルスに関する臨床研究成果を少しご紹介したいと思います。

この記事は日経メディカル 「私の視点」から転載したものです。