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2013年度は1万人以上が参加

大阪市の取り組み
大阪市の取り組み
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 “イノベーション創出”という役割を果たすために、大阪イノベーションハブのトップには民間出身の吉川正晃氏を招聘した。大手農機メーカーのクボタで米国の新規事業の立ち上げに携わった経験を持つ人物である。

 地場産業に対する大阪市の危機意識は強い。関西に本社がある家電メーカーをはじめ、多くの製造業が国際競争の厳しい状況に置かれているからだ。イノベーションによる新産業の創出は、大阪をはじめとする関西圏全域の活性化につながるとの思いがある。

 そのため、大阪イノベーションハブでは、世界中から人やアイデアが集まるようにさまざまな取り組みに力を入れている。日本だけにとどまらず、海外への発信力や世界中から人材を引き付ける力を高めるためだ。2013年度には約1億7000万円の予算を用意し、「グローバルイノベーション創出支援事業」を立ち上げた。

 「人材交流やワークショップ、海外に向けたプロモーション、企業と大学などによるプロジェクト創出支援など、2013年度だけで大小合わせて約200件にも及ぶイベントを実施し、1万人を超す参加者を集めた」(山口氏)という。

 さらに、ベンチャー企業に投資する100億円規模のファンド創設にも動き出している。大阪市は、このファンドに出資するため自ら5億円の予算を用意した。しかも、投資先は大阪市の企業に限定しないとしている。世界を相手にできる存在に大阪市を変えていくという意気込みの表れだろう。

 まるで日本のシリコンバレーを目指しているかのようにも見えるが、米国をただ模倣するのではなく、日本ならではのテーマを掲げたイベントも開催している。

 その一つが、「ものアプリハッカソン」である。これまでアプリケーション・ソフトウエア(アプリ)開発の世界で実施されることが多かったハッカソンに、ハードウエア(もの)を組み合わせた取り組みだ。家電メーカーや中小の製造業が多い関西ならではのイベントと言えるだろう。

ハッカソン:
 アプリ開発者が集中的にプログラミングすることを示す「ハック(hack)」と「マラソン(marathon)」を掛けあわせた造語で、1日(数日)で、あるテーマについてソフト開発をするイベントのこと。