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大阪からの発信力をもっと高めたい

 このイベントは既に2回開催されている。2013年1月の第1回でチームを組んだ参加者が意気投合し、実際にベンチャー企業を立ち上げて製品化までこぎ着けた事例も出てきた。それがベンチャー企業のMoffのリストバンド型玩具「Moff Band(モフバンド)」だ。

 第1回イベントの2カ月後、大阪市が主催した米国シリコンバレーツアーに創業者が参加し、ある投資家から助言を受けた。これがモフバンドの製品化につながったという。その後、米国の大手クラウドファンディングの「キックスターター」でモフバンドの資金調達を募ったところ、目標額をわずか48時間で集め、最終的にはその4倍となる約8万米ドルの資金を獲得して大きな話題になった。2014年7月には製品の予約受付を開始し、日本だけでなく、海外にも売り込む。

2013年7月に開催した「第2回 ものアプリハッカソン」(写真:大阪イノベーションハブ)
2013年7月に開催した「第2回 ものアプリハッカソン」(写真:大阪イノベーションハブ)

 ものアプリハッカソンを発展させ、大企業と外部開発者をつなげる新製品開発のプロジェクト「コ・クリエーション ジャム」という試みも実施している。2013年11~12月に開催したイベントには、地場企業のシャープがパートナー企業として参加した。掃除ロボット「COCOROBO」や、スマートフォンと連携できるテレビ「スマホライフAQUOS」を用いた新しいサービスの創出と試作に挑戦している。

 この他、大手企業のニーズからオープンイノベーションで新製品を創出する「イノベーション・エクスチェンジ」を約1年という短期間に合計7回も実施し、ニーズを開示した大手企業の最終面談に残る案件も複数出てきているという。

 「成功の橋渡し」を実現する事例が生まれつつあることに大阪市は確かな手ごたえを感じている。それでも、「大阪からの発信力をもっと高めたい。ここ1年が正念場」と、山口氏は気を引き締める。イノベーションを継続的に生み出す方法論を、大阪市は日々模索し続けている。

この記事は『リアル開発会議 2014 Summer』のコラム:「いいね!自治体」を基に再構成しました。