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 半導体の技術と業界の今と未来を、さまざまな視座にいる識者が論じる「SCR大喜利」、今回のテーマは「控えめな支配者ARMの功罪」である。なぜこれほどARMが普及したのか、ARMの未来のポジションはといった、ARMに関してあまり語られていな側面を議論している。今回の回答者は、某ICT関連企業のいち半導体部品ユーザー氏である。プロセッサーなどのユーザーの立場から議論する。

いち半導体部品ユーザー
某ICT関連企業
ICT関連企業で装置開発に必要な半導体部品技術を担当。装置開発側の立場だが部品メーカーと装置開発の中間の立場で両方の視点で半導体部品技術を見ている。

【質問1】ARMコアは、なぜこれほどまで広く普及したのか?
【回答】いろいろ理由はあるが、最大の理由は知のネットワークの成功

【質問2】多様な電子機器の中核が、ARMコアに統一されていくことによるメリット、デメリットは何か?
【回答】メリットは技術ノウハウの継承性、デメリットは多様性が失われること

【質問3】ARMコアの隆盛に終わりが訪れることがあるとすると、どのような切り口から影が落ちる可能性があるか?
【回答】しばらくは安泰であるが他社の努力、自身の判断ミスで隆盛に終わりが来る

【質問1の回答】いろいろ理由はあるが、最大の理由は知のネットワークの成功

 まずARMは低消費電力のデバイスであるというイメージが広まったことで特にモバイル系システムで普及した。また多くのメーカーから同一アーキテクチャの製品が提供されることにより、供給性などでの安心感も普及に大きく貢献した。

 もう少し深堀すると、インターネット革命によって社会が変化したのと同じ原理が、プラットフォーム・プロセッサの世界も変えたということではないか。結果的には知のつながり、知のネットワークでビジネスするプレーヤが勝ち、自社技術の強みだけでビジネスするプレーヤが勝てなかったことではないか。

 オープン化により情報格差がなくなった世界において、いかに主権を握るのか。ファン創出とビジネス・モデルの巧みさでARM社が秀でていたためと考える。