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 食文化は、食べ物だけではなく、食事をする空間にも凝縮されている。例えば、筆者は料理店のカウンター席に座るときに、なぜだかいつもテーブル席や座敷とは随分違う感覚を味わうのだが、読者のみなさんはそんなことはないだろうか。ということで、今回は、カウンター席という日本独特の食空間を考察しながら、技術経営関連のヒントを味わいたい。

カウンター席とは

 世界各国の料理は、料理の違いだけではなく、料理店のテーブルや席の違いも存在する。西洋は四角テーブルが多いが、本格の中国料理ならば丸いテーブルが欠かせない。日本の場合に、形が多くて、上記以外に、座敷がある、そして、カウンター席もある。カウンター席とは、客席と厨房を仕切り、客が飲食をするために細長い台を設けた席のことだ。

 筆者が初めて日本に来たとき、それまで見たことがなかった「カウンター席」というものがあることにちょっと驚いた。そのとき、頭に浮かんだのは、これは恐らく店の空間を有効利用する優れた方法に違いない、ということだった。だが、その後、日本での滞在期間が長くなるにつれて、カウンター席にはそこでしか味わえない「味」があることにだんだんと気づかされてきた。さて、カウンター席ではどんな味わいがあるだろうか--。

近所のすし店のカウンター席
筆者の自宅の近所にあるすし店のカウンター席