
特許庁レポート 特許分析から探る日本の競争力
目次
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先端材料ナノファイバー、特許出願は日本が最多
平成27年度特許出願技術動向調査:ナノファイバー
ナノファイバーは、先端技術を支える材料として、世界各国で活発な開発が行われている。日本は特許出願件数が多く、日本の技術優位性が維持されている。一方、論文発表件数は中国が一番多く、次いで欧州、米国、韓国が続いており、日本からの論文発表件数比率は8.6%と少ない。日本企業が他国に先駆けて実用化を図り技術…
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半導体レーザで世界をリードする日本
平成27年度特許出願技術動向調査:パワーレーザ
材料の加工や計測などで活用されるパワーレーザ。大出力化によって、新たな市場を創出する効果も期待されている。パワーレーザについて特許出願動向を調査したところ、日本は半導体レーザなどの分野における出願件数が多く、世界的な技術競争において優位にあることが分かった。半導体レーザの中でも、紫外・青色などの短波…
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列車制御と運行管理に強い日本の鉄道管制、海外戦略の鍵に
平成27年度特許出願技術動向調査:鉄道管制システム
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自動車の予防安全技術、市場シェア、特許出願とも日独先行
平成27年度特許出願技術動向調査:自動車用予防安全技術
車両が検知した物体と自車との衝突可能性を判断し、減速(停止)制御を行うシステムである、自動車用予防安全技術の「衝突被害軽減制動制御装置(AEBS)」。AEBSは交通事故防止につながる有効な手段として、また将来の自動運転車実現に向けた要素技術として注目されている。AEBSについて、市場シェアの推移や、…
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日本が特許で圧倒する冷陰極型電子源、応用先開拓が急務
平成27年度特許出願技術動向調査:冷陰極型電子源
特許出願で日本が他を圧倒する技術領域はいくつもある。ただし、日本の特許出願といえば、国内への出願が主であり、国外への出願件数は少なくなりがちだ。だが、例外もある。その1つが、冷陰極型電子源だ。特許出願件数は断トツで世界トップなだけでなく、国内外での出願件数の差が小さい。世界の主要国の特許出願件数で日…
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準天頂システムでの蓄積技術の海外出願を進め、成長市場へ
平成27年技術動向調査:衛星測位システム
GPSに代表される衛星測位システムは現在、社会インフラとして必要不可欠なものである。今後はさらに、M2M(Machine to Machine)やIoT(Internet of Things)など、位置・時間を利用するサービスの発展を支えるものとして、衛星測位システムに対する期待は一層高まっている。…
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万全の暗号技術、足りないウイルス・マルウェア検知技術
平成27年度特許出願技術動向調査:情報セキュリティ技術
来たるべきIoT(Internet of Things)を活用する社会では、サイバー空間での新しい攻撃や脅威・リスクが高くなることが懸念されている。この懸念を払拭するために必要なのが、情報セキュリティ技術である。同技術に関する特許出願状況を見ると、日本は暗号技術などは強い一方で、ウイルス・マルウェア…
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航空宇宙機器産業で圧倒的な力の欧米、日本はどう挑む?
平成27年度特許出願技術動向調査:航空機・宇宙機器関連技術
近年、航空機・宇宙機器産業は、国内で開発されている小型航空機や、世界中で利用されているGPSなどで、その動向が注視されている。同産業で日本が活躍する余地は大きいと考えられるが、特許出願件数等の観点では日本企業は欧米系の企業と比較して遅れを取っている。そのような現状を打破していくために、航空機分野にお…
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鉄鋼の高機能化に欠かせない被覆技術でも中国企業が台頭
平成26年度特許出願技術動向調査:鉄鋼材料(鋼板などの被覆)
中国における鉄鋼関連分野の特許出願動向を紹介する2回連載の後編は、鉄鋼などの被覆関連技術の分野に焦点を合わせる。鉄鋼などの被覆関連技術に関して、中国における特許出願は中国籍出願人によるものが全体の50%超を占め、増加率も大きい。また、実用新案登録は中国籍出願人によるものが99%を占め、特に2008年…
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鉄鋼材料関連出願で頭角をあらわす中国企業
平成26年度特許出願技術動向調査:鉄鋼材料(圧延、合金、熱処理)
中国では、第12次5カ年計画を受けて策定された中国鉄鋼科学技術ロードマップに基づき、技術開発が推進されている。中国企業などの技術水準が高まることで、日本企業との製品競争は一層激しくなるとみられる。本コラムでは今回から2回にわたり、中国における鉄鋼関連分野の特許出願動向を紹介する。前編である今回は、圧…
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エアコンの巨大市場に成長した中国、技術戦略の鍵はどこか
平成26年度特許出願技術動向調査:空気調和機(エアコン)
エアコンの巨大市場が形成された中国。中国企業のシェアは高まり、勢力を拡大しつつある。だが、中国市場でこれから求められるエアコンの機器更新時に必要となる技術については、まだそれほど特許が出願されていない。そのため、日本企業は今後の中国市場における傾向の変化を見据え、更新需要に対応した技術の開発・出願を…
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パワー半導体デバイス分野で中国企業と闘う道は?
平成26年度特許出願技術動向調査:パワー半導体デバイス
パワー半導体デバイスは、我が国の強みである。この分野では今、中国が急速に力を伸ばしてきている。日本がこの分野で高い競争力を誇示していくためには、SiCやGaN、アセンブリーといったキーテクノロジーの研究開発に注力して日本の優位性を保つこと、さらにはハイエンドIGBTの製品開発に移行してMOSFETの…
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中国市場が注目の収穫・脱穀機、中国籍の出願は驚異の増加
平成26年度特許出願技術動向調査:収穫・脱穀機
日本の25倍の広大な耕地面積(9億6000万ヘクタール)を有して13億人を超える人口を抱える中国では、近年、農業の機械化が急速に進んでいます。収穫・脱穀機をはじめとする農業機械の市場規模が拡大傾向にある中で、日本の農機メーカー各社も中国市場への参入を本格化させています。
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中国の鉄道市場は中国企業が独占、日本が闘う道は?
平成26年度特許出願技術動向調査:鉄道車両
中国では、鉄道分野のうち車両購入・更新・改造への投資額が、2004年の370億人民元から2008年には770億人民元にまで伸びるなど、鉄道関連の市場が急速に成長してきました。中国市場は、欧州などの主要車両メーカー、日本の車両や機器メーカーが参入する一方で、中国の車両メーカーなども売上を伸ばしており、…
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次世代無線LAN、特許と標準化で強い連動、日本の進む道は
平成26年度特許出願技術動向調査:次世代無線LAN伝送技術
無線LANは家庭内、オフィス、公衆など様々な場所で利用されています。近年、急増するデータ通信量に対応すべく、IEEE802.11ac(最大伝送速度6.9Gビット/秒)やIEEE802.11ad(最大伝送速度7Gビット/秒)などの次世代無線LANの通信規格が策定されています。さらに、新たな通信規格であ…
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ワイヤレス給電技術、スマホ・自動車で日本が優位
平成26年度特許出願技術動向調査:非接触給電関連技術
非接触給電技術とは、その名が示す通り、プラグやコンセントによる接触や、電源から伸びるワイヤーが存在しない状態(ワイヤレス)で電力を送る技術です。その原理は古くから知られていて、様々な商品に適用されてきました。
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副作用が少なく効果的な抗体医薬、特許出願は欧米が先行
平成26年度特許出願技術動向調査:抗体医薬
昨今、抗体医薬の売り上げは医薬品全体のかなりの部分を占めるまでに成長してきました。抗体医薬とは、生体内で病原体やがん細胞などの異常な細胞を認識して殺滅することにより、生体を感染、疾患から保護する役目を有する免疫系の主役である「抗体」を主成分とした医薬品を指します。
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世界で需要拡大の高吸水性樹脂、特許出願でリードする日本
平成26年度特許出願技術動向調査:高吸水性樹脂
高吸水性樹脂は、幼児用・大人用共に需要が伸びている紙おむつ製品の原材料として使用され、製品群の用途が拡大し、新興国市場での需要が増大しています。さらに、土壌の保水性を向上させる改質材など、高機能性樹脂として幅広い応用がされていることなどから、注目度が高まっています。
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低侵襲医療機器で圧倒的な米国、日本の対抗策はあるか?
平成26年度特許出願技術動向調査:低侵襲医療機器(循環器系カテーテル及び関連機器)
患者の負担を軽減し、治療期間の短縮を可能にする低侵襲医療機器。低侵襲医療機器は患者に設けた小さな開口部から挿入して治療を行う際に用いられ、循環器系カテーテルのほか、ステントやカテーテル誘導装置といった種類があり、冠動脈の閉塞・狭窄、脳動脈や大動脈の動脈瘤、不整脈などの手術や治療に用いられています。世…
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海洋産業の技術開発競争、先行する欧州、追い上げる韓国
平成26年度特許出願技術動向調査:次世代海洋産業
世界的なエネルギー需要の高まりや技術革新に伴い、欧米などの先進国のみならず新興国においても、大水深の海洋資源開発や海洋再生エネルギーの導入に向けた研究・開発が活発化しています。そして、これらの海洋産業に不可欠な掘削船やLNGなどの輸送船、掘削リグや洋上発電用の浮体式プラットフォーム、FPSO(浮体式…